岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

胸郭出口症候群。腕が痺れて辛い。改善するにはどうすればいい?

今回は腕の痺れについての相談。
病院で診てもらったところ胸郭出口症候群と診断された。
病院では電気を当てているがあまり改善が見られない。
仕事はデスクワークで長時間のパソコン作業で手、指を使っている時間が長い。
とのこと。

胸郭出口症候群は腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が胸郭出口付近で頚肋、鎖骨、第一肋骨などや前斜角筋、中斜角筋、小胸筋などが圧迫・牽引されることで起きる症状の総称です。

姿勢を見てみると、
・首は前に倒れ頭は前に出ている
・腕が捻じれて巻き肩気味(痺れが出ている側)
・猫背
・反り腰
・左右の肩、腰の高さが違う(体幹の捻じれ)
になっていました。

筋肉の状態をチェックしてみても、首・上肢・体幹の全てが緊張して硬くなっていました。
腕を動かしてみても鎖骨の動きが悪く、リンパの流れも悪くなっていてむくんだようになっていて押さえると痛みが出ました。
肩甲骨の動きが悪くなっているためにバンザイのように腕を綺麗にあげることもできませんし、動かすと引っかかるような感じもありました。

パソコンのキーボードやマウスを操作している時に上肢は内側に捻った状態になります。(内旋)
そうすると胸の筋肉は縮み、肩甲骨は外へ開き、そして上がります。
すると頭では傾きや捻じれが発生します。
首(頸椎)の傾き、捻じれは背中(胸椎)、腰(腰椎)にも影響し背骨のカーブが崩れ、骨盤の左右の高さが違ってきて脚にも影響が及びます。

問題の原因は全身の筋肉が緊張してバランスが崩れてしまったことです。
問題を解決するには緊張して硬くなってしまった筋肉をゆるめてバランスを整えることです。

特に腕の捻じれを戻す、肩甲帯(鎖骨、肩甲骨、上腕骨)の周囲の筋肉の緊張をきちんとゆるめてバランスを整える必要があります。

その他にも腕と繋がっている首の緊張をゆるめる必要もあります。
頭蓋骨と頸椎の1・2番が滑るように動くように左右に回す(回旋)、顎を引く(屈曲)ような動きをしてみましたが、動かし始めは首からゴリゴリと引っかかるような感じがありました。
しばらく続けていると引っかかりはなくなりスムーズに動くようになりました。
その時には首の緊張もゆるんで頭、首の捻じれ・傾きも改善されました。

次に、肩甲帯の緊張をゆるめていきました。
腕を上げ下げする、肩を上下に動かす、肘を曲げた状態で脇を開く・閉じるといった動きを肩の周囲や上腕が緊張しない位置で呼吸に合わせて 楽に、気持ち良く動かせる範囲で動かすと肩、腕、胸、背中、腰だけでなく前腕、手首の周囲の筋肉の緊張もゆるんで腕の捻じれが直り、肩の位置も本来の位置に戻って巻き肩も直りました。
首・頭の位置、肩甲帯のバランスが整うと体幹の捻じれや猫背や反り腰といった傾きも直り、お尻や太もも、脛、ふくらはぎの緊張もゆるみ立ち姿勢も良くなりました。

全身のバランスが整うと腕の痺れ感は軽減しました。

その後も定期的にトレーニングでバランスの崩れを修正することをしていくとしばらくすると痺れも解消されました。

胸郭出口症候群といっても病院へ行っても骨や関節に問題がない、治療をしても良くならないようなケースは結局は自然な状態から崩れて不自然な状態になってしまっていることが原因です。
そうなると問題を解決するには緊張をゆるめてバランスを整えてあげることです。