岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

高齢者が日常生活を楽に過ごすには筋トレで筋肉を鍛えないといけないの?

30歳を過ぎると何もしなければ筋肉は年々減っていき、60代、70代になるとピーク時から30〜40%も減ってしまうとも言われます。 また、一方で最近の研究では90歳でも適切に筋トレをすれば筋肉は太くなると言われています。

そうすると「高齢者も筋肉が衰えないように筋トレをしましょう。」と言われるようになります。 たしかに、歳を重ねると大きな力を発揮する速筋線維がどんどん萎縮して遅筋線維が優位になっていきますが、それを防ぐために筋トレで速筋線維を太くしていくことが適切なのでしょうか?

速筋を太くするためのトレーニングと簡単に言いますが、一般的な“筋肉を肥大させるトレーニング”というと、「大きな重りを使って筋肉を鍛える」というものです。 ジムに来て運動ができるくらいの体力レベルの人でも筋肉を太くして基礎代謝をアップしたり、体を楽に動かせるようにとトレーニングをしていても、大きな負荷をかけるようなハードなトレーニングがきちんとできるような人は少数で、ほとんどが中途半端な刺激しかできなくて速筋線維は全然変わっていきません。

筋トレをして筋肉を付けていくと言うのは簡単ですが、やるとなると話は全く違ってきます。

年配の方のトレーニングを見ていますが、多くの人は体を動かしていない、筋肉を動かすようなことをしていないから萎縮してしまっているので、大きな重りを使ったスクワットやデッドリフトみたいな筋トレのエクササイズはきついし、そもそも筋肉が硬くて体がスムーズに動かないので適切な動きなんてできません。

そんな体の状態からスタートするので筋肉を動かす、つまり骨・関節を動かすようなトレーニングでも日常生活動作が楽になる、疲れにくくなるなどの変化が見られます。

筋トレというとダンベルやバーベル、重りを使って筋肉を大きく、強くするものというイメージが強いですが、個人的には関節運動に負荷をかけたものが筋トレだと考えていますので、自分の体や手脚の重みも“負荷”になるので体操も立派は筋トレだと考えています。

大きな重りを使わない体操でもきちんとやれば萎んでいた筋肉も膨らんで弾力のある柔らかい筋肉になります。 筋肉が柔らかくなることで関節の可動性も広がってきます。 そうすると結果的に日常生活動作が楽にできるようになります。

毎日を元気に過ごすことが目的になった時に大きな筋肉、強い筋力は絶対に必要なものではありません。 むしろ、緊張でガチガチに硬くなった筋肉になっていることの方が問題だと思います。 そうなると必要なのは大きな筋肉、強い筋力ではなく、“弾力のある柔らかい筋肉”です。

柔らかい筋肉にするために大きな重りは必要ではありません。 安全面から考えても高齢者にはそういうトレーニングの方が良いように感じます。

ちなみに、軽い負荷でもやり方を工夫することで筋肉を太くするのに十分な“大きなトレーニング刺激”を与えることはできます。 ハードなこと、苦痛なことをやるイメージが強く軽くできることが適切でないように思われることがありますが、単純な重さだけがトレーニング刺激ではありません。 筋肉を大きくするためのトレーニングにもやり方はいろいろあるということです。