岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#4 パーソナルトレーナーに必要な知識・実践力・応用力について学んできました

魚住廣信先生によるパーソナルトレーナーに必要な知識・実践力・応用力」についてのお話を伺ってきた。

最近はトレーナーになるためのハードルは低くなってきています。 その中で大切になってくるのは、「自分は誰を対象にして何をしたいのか?」ということを考えて行動していかなくてはならないということです。 様々なトレーナーの団体の資格が世の中に多くありますが、どれも基礎を学んだことを証明するだけのものであって、実践が伴っていなければ役には立ちません。

・そもそもトレーナーの定義とは?

「Trainerとはtrainする人。train:教育する、身体を鍛えさせる、教え込ます、身につけさせる」などの意味を持っています。 トレーナーは教育者である。 そして、パーソナルトレーナーとは、「マンツーマンでtrainするスペシャリスト」です。 本物のトレーナーであるかどうかは、このスペシャリストがつけられるかが問題です。 似たような言葉に専門家というのがありますが、専門家は、ある特定の事柄などを専門に研究・担当し、それに精通している所謂学者さんのことです。

対してスペシャリストは、特定のものに関して優れた人のことを表す。 トレーナーになるためのハードルが低くなっている今、他のトレーナーと差別化できなければ生き残ることはできない。 ですからスペシャリストでなければならないのです。 「~の資格を持っているではなく、何ができるか、できないか」をきちんと自分が理解しておくことが大切。 そうでなければ、お客様に対して、ごまかしたり、嘘をついて指導していることになる。 1時間何千円と貰うのであれば立派な詐欺になってしまう。

パーソナルトレーナーとは、「コンディショニング(身体的、防衛的、精神的、栄養、休養のレベルを上げる)+リ・コンディショニング(コンディションの要素の内、レベルが下がってしまっているものを元のレベルに戻す)+身体調整テクニック」を理解し、高いレベルで実践することができるの人。 そして、その中でも「結果を分析し、反省し、改善できる」スペシャリストが本物のパーソナルトレーナー。 常に自分が指導したことが良い結果になっているかを考え、上手くいかなかったら反省し、次はこうしてみようと改善していくことが大切。

本物のパーソナルトレーナーを目指すには資格ではなく、実力をつけることが求められる。 本やビデオなどは知識は増えますが、実践が伴いませんので、教わった内容が上手くいかないお客様に出会った時にきちんと指導することができない。 本物はただ本を読んだり、セミナーで話を聞くだけでなく、その人の考え方にまで理解を深めていくことで自分なりのアイデアで1人1人のお客様に合わせて応用することができる。 それが他のトレーナーとの差別化となる。

・トレーナーに必要な知識

世の中には「~理論」というものが用いられているケースがよくあります。 理論の定義は「どう考えてもそうするしかない」ということ。 数学などの理論はどの方向性から考えてみてもそれでしか答えを導き出すことができないものなので~理論がよく用いられます。 しかし、スポーツやトレーニングに関しては、ある一方から見てみると正当性を感じるが、ある一方から見るとおかしいと思うようなものばかりです。 つまりスポーツやトレーニングで用いられているものは理論ではなく、「~という考え方」なのです。 本やトップアスリートがやっているものを一般の人がただ真似るだけでは上手くいかないのは、それが理論ではなく、考え方だからなのです。 そして、トップアスリートはいつも同じやり方はしません。 毎年変わる。考え方は毎日変わる。 常にその考え方に基づいて取り組み、進歩しているから。

コンディショニングの指導をするにもまずは方法を知ることから始めるのではなく、身体の構造や機能、各関節の動きと機能を知っておかなくてはいけません。 それから動きを見る目、自分なりの自然な動きのイメージを持ち、動きの問題かコンディショニングの問題かを判断することができなければならない。 そうして初めてトレーニングするなどの方法が用いられる。

大切なことは、「目的・目標があって、方法を選択する」ということ。 これは、リ・コンディショニングでも同様。

まずは、身体や関節の構造や機能を理解し、どの身体的要素に問題があるのか、どのようにして元のコンディションに戻すのかを判断し、いろいろな身体調整テクニックを用いて自然な動きを習得させる。 これも目的・目標があって、方法を選択するということ。

その方法を選択する時に肝心なのが、「5W1H」(だれが、いつ、どこで、何のために、何を、どのようにやるのか?)です。 基本であり1番重要なことですが、ここを抜いて指導していては応用力は身につかない。 「目的は~だから、これを・・・しましょう」という指導を心がけたい。

・トレーナーとして大切な実践力 トレーナーとして大切な実践力は、「動きを見る目、情報を得る手の平」 動きを見る目は、「良い立ち方は?歩き方は?走り方は?」などを自分なりにイメージしておかなければ、何度繰り返し見てもどこが崩れているとか、どこに余計な力が入っているなどを見抜くことはできない。 私自身「骨で立つ」というこを体験して以来、少しずつ見えてき始めたような気がします。 まだまだ先生のようにパッと見ただけでというわけにはいきませんが。

そして、手の平は相手の身体に触れると相手の身体の感覚が伝わってくるそう。 緊張しているとか緩んでいるなど。 相手の身体の情報が伝ってくる領域まではまだまだ遠いですが、これも経験だそうです。 ですから、学校を卒業したばかり、5年や10年位の経験ではそう簡単に本物は名乗れません・・・ 先生でさえ日々いろいろなものを考えたり取り組まれているのですから、私など本当にまだまだです。

一般の方に対して指導していく上での重要なキーワードは、 「日常が元気に暮らしてもらえるように指導すること」 相手にきちんと正しい立ち方、歩き方をインプットさせることができていなければなりませんので、セッションのフィニッシュのやり方が非常に重要です。 そうしなければ、次に来た時もやはりクセがついたままですから、きちんとtrainしたことにはならないのです。 1週間に1回、1時間のセッションでどれだけいい状態にするのかだけでなく、次のセッションまでの何十時間の内、何時間いい状態で生活できるかもトレーナーとしての技術なのでしょうね。

・トレーナーに必要な応用力

まず基礎理論(基本的な考え方)を持ち、それを1人1人のお客様に合わせて応用していくということです。 ですから、セミナーで教わった内容をそのまま使う人まねではなく、自分の哲学(考え方)を持って指導にあたらなければならない。 それがなければ自分の看板がないのと同じですから、お客様が来るはずがない。 その結果トレーナーとしてやっていくことができなくなる。

そして、最終的には「畳一畳」でW-up、筋トレ、持久力、調整力、クーリングダウンなど全てをできるように日々考え続けなければなりません。 道具も一切ない。 いつも自問自答し続けなければ辿りつくことができないであろう永遠の課題。 何をすれば良いかを考える時にもやはり自分なりの定義や基礎知識がなければ考え付くことはないでしょう。(持久力は何に刺激を与えて反応を導き出すのか?筋肉が肥大していくための要素は?など)

その他にも素晴らしいお言葉を頂いた。 ・「知っていることとわかっていることは違う。分かっていることと教えられることは違う。教えるとはできるようになることである」 ・「間違いに気づき、ごまかさず、すぐチェンジできること」 ・「知識は実践できれば本当に理解できている」 ・「ごまかしのない指導ができること。裏付けのある指導ができること。昨日の考えと今日の考えは違う」 ・「結果に嘘はない。結果は真実を映し出す鏡である」

どれも学び・実践し続けることでしか本物の力を身につける近道はないということです。 本当に心に響いてきます。 特に学ぶに関しては、「本物から学び取ること、誰から学ぶのか?」ということが本当に大切。

そして、人から知識・技術を教わるのに投資を惜しんではいけないということ。 その方自身がその知識を身につけるために多くの投資をしたからこそ教えていただけるのですから、それ相応の対価は払わなくてはならない。 結局お客様から高いお金を頂くわけですから、自分は高いお金をもらいながら、安く知識や技術を手に入れようなんて虫が良すぎる。 私自身は先行投資という認識でいつも勉強させていただいてます。