岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

コントロールはどうしたら良くなるのか?

WBCの投手を見ていてもリラックスして腕が振れている投手ほど良いピッチングが出来ています。 台湾戦は大苦戦でしたが、相手の王建民投手はコントロールも変化球のキレも抜群でした。 ヤンキースでエース級の活躍をしたこともある投手ですので投げ方に無駄がありません。 『立つ、体重移動、腕を振る』というシンプルな身体の使い方です。 ストレートも変化球も同じ身体の使い方、腕の振りで投げてこられると苦戦しても仕方ありませんね。

元巨人のエース桑田投手が解説をされていましたが、同じことを仰っていました。 澤村投手のピッチングフォームについて、「この投げ方だと真ん中からインコースには行くが、アウトローに投げることはできない」というような解説をされていました。 確かに見ていても時々右バッターのインハイに抜けるボールが行くことがあり、アウトローの球はあまりありません。 速い球を投げようと力んでいることが原因のようです。 力んでしまうと自然な動きから外れた動きになりやすいためにコントロールがバラついてしまうわけです。

一方でオランダ戦で好投した前田投手を見ているとストレート、スライダーがアウトローにきちんとコントロールされ、キューバに負けないくらいの強打を誇るオランダ打線を相手にしても打たれる気配が全くありませんでした。 投げ方を見てみてもリラックスしていてスムーズな投げ方をしています。

「投手の基本はアウトロー」とよく言われますが、基本的な体の使い方をすればボールはそこにしかいきません。 インハイに抜けるのはそういう投げ方をしているからそこに行くだけでコントロールが悪いからということではありません。

コントロールが悪いという投手ほど指先でボールをコントロールしようとしてしまいがちですが、そもそも狙いを定める時は頭で「あそこへ投げよう」と思っているはずです。 筋肉は脳が命令して動くようになっています。 だから腕で投げようとすること自体無理があります。

あとはそこにボールが行くように体をうまく使うことです。 一流と呼ばれる選手は投球フォームに違いはあっても基本的な身体の使い方は非常にシンプルで無駄がありませんのでアウトローのコントロールが抜群です。

基本はまず「立つ」ことです。 脚を上げて片脚立ちになった時にグラグラしないようにバランス良く立つことが必要です。 肩のラインは平行でお腹はやや後ろに出て“くの字”のような形です。

軸足は真っ直ぐに伸ばさず股関節や膝は軽くゆるめておきます。 それはバランスが取りやすいということもありますが、勢いのあるボールを投げるためでもあります。 体重移動でボールの勢いの60%が決まります。 体重移動は軸足でプレートをプッシュした反動で行うのですが、片脚立ちになった時に脚が伸び切っているとプレートをプッシュする力が生まれません。

体重移動して上げていた足を着地させる位置も重要です。 一般的に軸足に対して真っ直ぐに出すような指導が行われますが、そういう置き方をしている投手ほどコントロールが悪くなります。 投げるためには体重移動した後に上体を捻らなくてはいけませんが、両脚を真横に広げた状態で体を捻ろうとすると上体は傾いてしまいます。 そんな状態からボールをリリースしようとするから抜けてしまうのです。 “軸足の踵の延長線上に着地する側の足のつま先を置く”ようにすると上体を捻っていく時に自然に前の脚が壁になってくれます。

狙いを定めるためにはグラブを持っている手、肩、腰などをうまく使う必要もあります。 プロの投手を見ていても体のいろいろな部分を使って狙いを定めています。 腰で狙いを定めるのが一番シンプルですが、自分が一番やりやすいようにすれば良いと思います。

あとは投げる側の腕のテイクバックをスムーズに行い、リリースの時に指先や手首で何か余計なことをしないことです。 コントロールは腕ではなく、下半身や体幹でするものなのですから。

投げるという動作はこれだけ体の使い方が複雑だということです。 筋力や持久力だけでなく、身体の使い方という技術も高いレベルになければいけないということです。