岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

投げる時のテイクバックをスムーズにするにはどうすればいいのか

良いパフォーマンスを発揮するためには筋力だけでなく身体の使い方が重要です。 夏の甲子園も行われていますし、ヤンキースの田中投手が肘を故障したことで『投げる』という動作についての解説を目にすることがあります。

投げるという動作においてテイクバックの動きはかなり重要です。 肘が肩のラインより下がらないようにテイクバックをしていくことが大切なのですが一般的には、 ・肘を上げる ・投げる腕を内旋(内側に捻る) といった指導、アドバイスをすることが多いようです。

ある指導、アドバイスの内容を見てみると、 ・肩の筋肉(三角筋)が緊張してしまうと肘が上がらないから三角筋主導の動きを直しましょう ・腕を内旋させるためには外旋させないといけない ・グラブ側の腕の回旋と投げる側の腕の回旋の時間差を利用する といったことが書かれていました。

テイクバックは大切ですが、最終的にはボールを投げにいかないといけないので1秒くらいの動きの中でこれだけいろいろ考えながら行うのは難しいと思います。

テイクバックで肘が下がってしまう原因は『肘を引いてしまう』ことです。 腕回しの要領で腕を動かしてみると簡単に肩のラインより高く肘が上がります。 肘を引いてしまうと肩の関節本来の動きから外れた動きになるために筋肉に余計な緊張が起こってしまうために肘が上がらなくなってしまいます。

腕の内旋についても難しいことを考えなくてもリラックスして動かせば自然に捻られます。 意識することで肩や腕に余計な力が入ってしまい肩の動きが悪くなってしまいます。

また、勢いの良いボールを投げるためには下半身と体幹の使い方も重要です。 先日テレビ番組で速いボールを投げるためには『腰の捻りが重要』ということで腰を速く捻る練習が紹介されていました。 身体の使い方の解説の中には、“首の回旋と股関節の回旋が重要”と書いているものもありました。

この動きに関しても難しく考えなくても、 『立つ→移動する→前を向く→倒れる』 というシンプルな動きの意識でできるようになります。

腰を捻ろうとするのは難しい動きです。 そもそも腰だけを捻ることはできません。 腰は上体と一緒に回転しますが人はその場で回転することはできません。 回転するためには“重心の移動”が必要です。

足を上げて片足立ちになった時に軸足の足裏をきちんと地面に着け体重をきちんと乗せます。 そしてその軸足の踵辺りでプレートを押し、その反動でホーム側に重心を移動します。 重心が移動することで腰も回転させやすくなり、一生懸命捻ろうとしなくても自然に腰が回転されます。

テイクバックで肩・肘・手首の余計な力を抜いて身体を回転させると自然に肘が理想のポイントにきます。 そして倒れていく動きで身体の前でボールをリリースするだけです。

良い投球ができないとキャッチャーや監督、コーチ、解説みんな口を揃えて“力を抜いて”と言います。 良いパフォーマンスを発揮するためには余計な緊張をさせないリラックスした動きが大切です。

難しい理屈で考えるのではなく、無理のない動きで動作を行うことがいい身体の使い方になり、良いパフォーマンスを発揮することができるようになります。