岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

やればやるほど伸びるということはない。ギリギリまで追い込む練習で効果が出ない理由

先日テレビでスピードスケートの小平選手の総合優勝の裏にオランダ流のトレーニングを取り入れたことがあったと紹介されていました。

詳しい内容はわかりませでしたが、基本的な発想としては『練習やトレーニングでいつもギリギリまで追い込むようなことはしないで余裕を持って終わり、レースで全力を出すようにする』ということのようでした。 海外のトップレベルの選手を相手に優勝するということで特別な方法をやっているのではないかと思いがちですが至ってシンプルですが、コンディショニングという面で考えるととても大切な考え方だと思いました。

練習やトレーニングはもちろん大切だと思いますが、やればやるほど伸びるというのは高校生くらいまでの話で、そこから先はきちんと計画を立ててトレーニングや練習を実施しないと良いパフォーマンスを発揮することは難しくなってきます。

練習は技術向上、トレーニングは体力向上なので目的は違いますが、どちらも体に適度なストレス(刺激)を与えて反応を引き出すというものです。 身体にストレスをかければ疲労が溜まっていきます。 身体に疲労が溜まればそこから回復するために休息が必要になります。 疲労からきちんと回復していなければ良いパフォーマンスを発揮することが難しいのは誰でもわかることだと思います。 ギリギリまで追い込めば疲労の蓄積は大きなものになりますから疲労から回復するために多くの時間が必要になります。

疲労からきちんと回復しないでトレーニングや練習を行って身体にストレスをかけ続けるとオーバーユースやオーバートレーニングに繋がり、結果として故障が起こってしまいます。 そう考えると毎回トレーニングや練習で力を全て出し切るまで追い込む必要があるのか考える必要があると 思います。

疲労からの回復という点からだけでなく、技術の向上という点で考えてみても余裕を持って終わるという考えも大切だと思います。

余裕を持って終わると言うと楽をするイメージをもたれがちですが、そこは必ずしも一致しないと思います。

例えばゴルフであれば筋肉が疲労して硬くなった状態でさらにボールを打って良いショットが打てるでしょうか? 疲労の少ないフレッシュな状態で打った時の方が良いショットが打てるはずです。 悪いショットを続けていても結果として悪い打ち方をインプットしてしまいます。 そうなると次の練習ではまたショットの修正から行わないといけなくなり、技術はなかなか向上しません。

打つための持久力を向上させるのであれば疲れるまで打つのでなく、疲れないでどれだけ良いショットが打てるかが大切だと思いますので、ショットの良いフィーリングが掴めたら今度は違うクラブで打つというような練習が効率良く打つための持久力を向上させるためのトレーニングになるのではないでしょうか。

これはスピードスケートやゴルフだけの話ではなく、いろいろな競技でも言えることだと思います。 競技のためのトレーニング、練習となると強い国、選手、チームがやっている方法をそのまま真似て行うというのは何も考えなくて良いので1番簡単な方法ですが、他でやって上手くいったことが自分の教えているチーム、選手でも上手くいくとは限りません。 それは身体的特徴、体力レベル、トレーニングレベルなど様々な要素で違いがあるからです。

どんなトレーニングにもメリット・デメリットがあります。 やってみて上手くいくこともあれば思ったような効果が出ないこともあります。 完璧なトレーニング法、練習法はないわけですから、自分の見ているチーム、選手のレベルや目的に合わせて様々なトレーニングや練習方法の考え方をアレンジしてトライ&エラーを繰り返すということが大切なのではないでしょうか。