岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#76 筋力を高めるトレーニングについて学んできました

定例勉強会に参加するために大阪へ行ってきました。 今回のテーマは『筋力の高め方とその指導法』

筋力といえば真っ先に筋トレが思い浮かびます。 筋トレ=筋肉を鍛える、筋肉が大きくなるというイメージは根強いですが、筋トレはそんな単純話ではない、でも筋トレしているのに結果が伴わないのは単純な理由だったりするというのが随所に出てきました。

ひざ痛(変形性膝関節症)の問題

ひざ痛を治すには筋肉を鍛えることも必要なのではないかと思う人も多いようです。

身体を調整すると膝の痛みも軽減するが、完全に良くならないがゼロにしていくためにどうしていくのかというケースでは、どうしてひざ痛が完全に良くならないのかということを考えてみたときにO脚があり、脚がきちんと伸ばせていないという問題がありました。 O脚の問題を解決できていないのに筋トレをしてそれで痛みをゼロに近づけていくことはできません。

ということでO脚を直す脚の調整を行いました。 行ったのは何年も前から使っている股関節・膝・足首の調整です。 これでO脚やひざ痛を改善できたケースも多いのでそれなりにできていると思っていましたが、 ・相手に緊張させないために手のどの部分をどのように当てるか? ・股関節の動きを見ているか? ・膝関節の微妙なズレを手のひらで感じているか? ・動かすスピードは適切か? ・脚を動かす方向がズレていないか? ・脚が真っ直ぐに伸びるような戻し方ができているか? ・繰り返し回数、その動作にどれくらいの時間をかけるか? そういう細かい感覚や視点を持ってアプローチしていくことの大切さを教わりながらやってみると、まだまだできていなかったこと、さらにテクニックに磨きがかかったことを実感しました。

筋膜や皮膚など新しい調整テクニックがありますので変化が小さいと新しいテクニックを…となりやすいですが、そうではなくもっと1つ1つのテクニックがちゃんとできているかを見直して磨きをかけることが大切だと感じました。

脚が真っ直ぐになれば関節の噛み合わせも良くなり膝の痛みもゼロに近いていくという見立ても立ちますし、何回も繰り返せば大腿部の筋肉は収縮-弛緩を繰り返し、結果的に筋肉の弾力も改善できるとなれば、こういうことも筋肉の弾力性を改善するためのトレーニングにもなります。

筋肉を大きくしたい

筋肉を大きくするためにベンチプレスやスクワット、他にも背中や腕など鍛える部位をわけ、たくさんの種目をやっているの筋肉が大きくならないというケースでは、トレーニングプログラムを細かく見ていくとその実践法に問題が見つかりました。

教科書的には筋肥大なら『75〜80%1RMで8〜12回×3セット』というのがお決まりですが、それはあくまで想定の話で所定の回数が来たら終わりということではありません。 オールアウトするまでやってはじめて設定した負荷がかかったことになります。 余裕を持って終わってしまうトレーニングでは筋肉への『刺激の量』が足りません。 筋肉の外形を変えたいならそれに見合うだけの刺激の量が必要です。 筋肥大目的のトレーニングで余裕を持つことはありえないということです。

重さだけが刺激ではない

筋肉を肥大させるのは大変ですが、筋肉を膨らませても大きく見えます。 酸素の取り込みを意識して呼吸に合わせて筋肉を収縮ー弛緩を繰り返すと筋肉が大きく膨らみます。 筋肉を肥大させようとすると収縮ばかり意識しますが、大きくしたり膨らませるには緩めることも大切だということです。

何をやるかよりも目的に合わせて「何をどのようにやるか」を考えれるとちょっとした動きの変化だけでたくさんのことをやるよりも効率が良く見た目を良くすることもできます。

重いものを楽に上げるスクワット

スクワットというとしゃがみ方、立ち上がり方というのも難しいですが、重いものを楽に上げるというのも指導する中では難しい問題です。

重いダンベルを使ってスクワットすると肩や腕に力が入ってしまってしまうケースでは、『立ったところで何かしようとするから難しい』ということから発想を変えて立ち上がる動作を行いました。 たったそれだけですが腕や肩の脱力だけでなくスムーズな動きになり楽に重りを上げる感覚も掴めました。

スプリンターのためのトレーニン

スプリンターの脚力を高めるためのトレーニングとしてスクワットをどう活用するかを考えたケースでは、スプリントの中間走の場面では「弾む」動きが出てきますが、これは膝の屈曲・伸展で行う動作ではないので深くしゃがむスクワットのような動作で筋力を高めても直接走る動作には繋がりません。

だからといって意味がないというわけでもありません。 弾む動作はパワーの要素が大切です。 そのためのトレーニングとしてはプライオメトリクスが効果的です。 しかし、プライオメトリクスを安全かつ効果的に実施するにはボディウェイトの1.6倍くらいのスクワットができなければケガをしてしまいます。 スクワットだけでもダメですがプライオメトリクスだけでもダメということです。

また、スタートの場面での脚力向上ということではディープスクワットが使えますが、スタートは何度もするものではありませんから、回数とセット数をよく考えて実施する必要があります。

ストライドを広げるためには腕振りが重要です。 大きく速く振るために必要な上半身の筋力を向上させるためのトレーニングについても考えていきました。

上半身というとベンチプレスが思い浮かびますが、腕振りとベンチプレスの動きをそれぞれ考えてみると振り子運動の腕振りに対してベンチプレスは前後運動ですからこれだけでは足りません。

道具などの環境にあまり左右されないでできるエクササイズとしてはダンベルやプレートを持って腕振りをするということになります。 ただし、あくまで筋力を養成するためですから実際に走る時のように速く振る必要はありません。 スピードを上げたいなら負荷をかけるよりもゼロにする方が速くなります。 あくまで腕を振るのが楽になるということを目的にやっていくということです。

動作の中である筋肉が使えない

ある動きをする時にある部分の筋肉が使えていないから要求した動きができないとその筋肉を促通させるためにその部分を刺激するエクササイズを行ういうことについては、そういうやり方も手段としては間違っていませんが、一般の人なら筋力がないから要求する動きができないというよりは動作のやり方、動きの手順に問題があることの方が多いのでそちらを修正してあげる方がわざわざ筋肉を促通させる手間も省けて効率も良いのではないでしょうか。

その他にも年配の筋力がない人でもできる筋力に頼らないで床から立ち上がる動作のやり方からリフティングまでいろいろなことを教わることができました。