岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

30日スクワットチャレンジを始めたら膝が痛くなった。原因は?どうすれば治る?

最初は50回から初めて3日に1回休みを入れながら1日5回ずつ増やしていき、最終日には250回もやるとヒップアップできるという「30日スクワットチャレンジ」が流行っているようです。
ところが、ヒップアップするどころか太ももの前ばかり筋肉が付いたり膝が痛くなったという人も相談も少なくありません。

スクワットをしてそのようになったわけですから、問題は「スクワットのやり方」にあります。
どんなやり方でスクワットをするのかを見れば太ももの前や膝が痛くなる理由がわかります。

一般的なやり方として多いのが、
・お尻を少し突き出しながら太ももと床が平行になるくらいまでゆっくりとしゃがむ
・姿勢は背中は丸めない
・呼吸も止めないようにゆっくりと元の位置に戻る
というものです。

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しゃがむ時に膝をつま先よりも前に出さないようにというようなことがよく言われますが、お尻を後ろに突き出し、深くしゃがもうとする時に足首は固定した状態になります。
足首が固定されると膝の関節も固定されてしまうためスムーズにしゃがめません。
動きにブレーキがかかってしまうので太ももの前が辛くなってきます。
それを筋肉を鍛えている、効いているように感じてしまう人も多いですが、ただ筋肉痛を作っているだけです。
お尻の筋肉は股関節を伸ばす、立ち上がる動作で使われます。
辛いことをするよりもきちんと立ち上がる動作をやる方が目的を達成しやすくなるでしょう。

ゆっくりやるというのはスロートレーニングの考え方を利用したものなのでしょう。
刺激すると大きくなる反応を示すのは速筋線維(白身)です。
伸ばされながら負荷をかけると速筋線維が多く使われると言われています。
そういったことからゆっくり沈むことを勧めるのですがトレーニングに慣れていない人は太ももの前の筋肉でブレーキをかけるので大きくなるのはお尻ではなく太ももの前ということになります。
立ち上がる時もほとんどの人は太ももの前の筋肉を使って膝を伸ばして立ち上がろうとします。

行きも帰りもずっと太ももの前の筋肉に大きな負荷をかけるような運動を50回、休みがあるにしても最終的には250回もやるわけですから、太ももの前の筋肉は緊張して硬くなり、筋肉がストレスに耐えられなくなれば痛みが起こるということです。

適切な手順、やり方でやれば膝を痛めることもありませんし、ヒップアップしたスタイルを作ることもできます。

しゃがむ時の適切な手順は足首→膝→股関節の順にゆるめることです。
適切な手順で行えばスムーズにお尻が下に沈んで楽にしゃがむことができます。

立ち上がる時は「股関節→膝→足首」の順に伸ばしていくことです。
具体的にはお尻を上げていくだけです。
それだけで膝、足首も連動して立ち上がることができます。
きちんと脚を伸ばしてバランス良く立てるようになります。

膝が痛くなる原因としては「脚が捻れている」という可能性も考えられます。
X脚やO脚のような捻れた脚でスクワットをすれば膝に大きなストレスをかけてしまうことになります。
回数を増やす、ストレスを増やすことになりますから膝がストレスに耐えられなくなると痛みが起きてしまいます。
そういう人の場合はまず脚の捻じれを直して真っ直ぐスッと伸びた脚に戻すことが先です。
そして適切な手順でスクワット動作をきちんと行えばスタイルアップするはずです。

お尻が垂れてしまうことを気にして筋トレをする人は多いですが、そもそもの問題は筋肉の強い・弱いではなく、立ったり歩いたり階段を昇るような日常生活動作でお尻の筋肉を使っていないことです。

特に立ち姿勢が悪い人は多く、ほとんどの人が「お尻を垂らして」立っています。
そんな姿勢の人は立っているだけで常に太ももの前の筋肉に頼って体を支えていますからスクワットしても自然に太ももの前に頼るでしょう。

スクワットチャレンジをする前にヒップアップする立ち方をきちんと覚えて毎日の生活の中で意識する方が安全かつ効率的です。