岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

何でも背筋をピンと伸ばした姿勢でやるのが正しいやり方ではない

良い姿勢というとほとんどの人が背筋を伸ばして胸を張った姿勢をイメージします。それが正しいと思ってしまっている人は立っている時だけに留まらず、座っている時も、歩いている時も、走っている時も、イスのしゃがむ・立つをする時でも全て背筋を真っ直ぐにしてやろうとします。

全ての動作で背筋を真っ直ぐにしておくことが良い姿勢ではありません。むしろそんなことをすることで動作がぎこちなくなり、肩や腰、膝に大きなストレスをかけて痛みや不調を引き起こすこともあります。

基本的には姿勢は“筋肉の緊張度のバランス”です。そして、その動作が一番楽に、スムーズにできる姿勢がその動作での適切な姿勢です。

立つ時は重力に対して骨格ラインを真っ直ぐにすると余計な力を使わないで立つことができるので適切な姿勢と言えます。座っている時も同じですが、座ってパソコンを入力したりするという動作になると背筋を真っ直ぐに伸ばして作業をしようとするとやり辛くなります。ということはパソコンの入力ではその姿勢は適切ではないということになります。相談に来た人にはアドバイスしていますが、真っ直ぐに拘らず、一番楽で作業がしやすい姿勢でやってもらいます。しかし、その姿勢をしていてもずっとやっていると筋肉が硬くなってくるので姿勢を変えたくなります。すると背筋を真っ直ぐに伸ばした姿勢に戻ろうという動きをします。しかも無理にではなく、それが自然と気持ち良いと思ってやっています。なので作業が終わっても崩れた姿勢にはなりません。

歩いたり、走ったりは“移動手段”です。体が前に進ませやすいのが適切な姿勢になります。そうすると真っ直ぐだと体はなかなか前に進まないので脚をたくさん使ってしまい余計な力を使ってしまい、すぐに疲れてしまいます。

しかし、体を前に進ませやすいように体のバランスを前方に少し崩すだけで楽に体が進むようになり、脚は勝手についてくるような感じになります。そういう歩き、走りの姿勢は綺麗になっています。

しゃがむ・立つも上体を真っ直ぐにする方が動作がやりにくく、膝や腰に大きなストレスをかけてしまいます。腹筋・背筋の緊張のバランスをキープしたまま、足首・膝・股関節の順にゆるめてしゃがむと体は前に傾きますが、背骨のラインが崩れることなく、楽に座ることができます。立ち上がる時も股関節、足の裏をうまく使って反射を利用して立ち上がっていくと最後は背筋が真っ直ぐに伸びた姿勢に戻ります。

「正しい姿勢」という考え方をするのではなく、その動作が一番やりやすい姿勢が「適切な姿勢」という風に考えればもっと肩の力を抜いていろいろな動作がスムーズに、楽にできるのではないでしょうか。