岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#116 エクササイズの考え方について学んできました②

定例勉強会に参加するため大阪へ行ってきました。 今回のテーマは「エクササイズの考察ー問題点とその改善」

世の中にはいろいろなトレーニングがありますが結局はそのトレーニング、エクササイズをどういう目的でやっていてちゃんとその成果が得られているのか?というところに行き着きます。

例えば“体幹”。最近は何かにつけてこの言葉が出てきます。 スポーツに限ってみてもランナーのための体幹レーニング、スイマーのための体幹レーニングなど。 そのためにやらせていることと言えばランナーは接地の局面では片脚で踏み込んでいくから体幹を固めて片脚でスクワット、腹筋を鍛えるために仰向け姿勢から上体と脚を少し浮かせて片脚ずつ胸に引き寄せて走る動作に似せてみたり。 接地の局面では深く沈むようなことはないし、走る時に仰向けに寝るようなことはありません。 走るために必要な体幹を作るにはやはり走るのが一番効率が良いと思います。トレーニングを兼ねてやるためにどのようにやるかを考える必要はありますが。

水泳はもっと疑問で体幹が弱いからクロールで泳ぐ時に腰が沈むのを改善するためということで陸上でうつ伏せで肘と脚をついて腰を浮かせてじっとするエクササイズをやらせるケースがありますが、そもそも水の中は沈む方が難しく、基本的に浮くようになっています。 沈むとしたら泳ぎの中で重心の位置が悪い、緊張して力が入っているときなどが考えられます。 そうすると陸上で筋肉を緊張させるようなエクササイズをやらせることは却って逆効果で余計に腰を沈ませることになってしまいますから、リラックスして体の力を抜いてクロールを泳ぐように腕を動かすようなことをすることで肩甲骨周りの筋肉の動きが良くなったりストリームラインが綺麗になると考えることもできます。

目的があり、成果がきちんと得られるなら競技動作に似せてものに負荷をかけたり筋肉を緊張させるようなものをやる、やらせるのも良いと思いますが、やってみたが成果が得られないのであればより有効にやるには?ということを考えることも必要だと思います。 ランナーに必要な体幹は走る中で作れば良いし、水泳で腰が下がらないようにしたければ泳いでいる時にうまくサポートして浮く感覚を掴ませれば効率が良いのではと考えることもできます。

体幹は一般的には固めるというイメージが未だに強いですが体幹を固めると動けなくなります。 手脚を動かす時に体幹は固めるのではなく筒状で保持するとやりやすくなります。 今回も呼吸を使って体幹を筒状で安定させ、手脚を動かすことをやってみましたが体幹を固めたり、凹ませて緊張させてやるよりも手脚の動かしやすさが違うことがわかります。 呼吸を使って片足で体を支持する良い感覚を掴んで歩いてみると歩行動作での安定性が良くなりスムーズに歩けるようになりました。 鼻呼吸でお腹の刺激を感じられないというケースでは胸郭が硬くなっているためにうまくいかないのではないかということで息を吸う、吐くを使って胸郭の緊張を取るアプローチを行いましたが、背中の緊張も取れ呼吸のやりやすさ、お腹の刺激もよく感じられました。

エクササイズの選択が間違っていなくても適切なやり方でエクササイズをやる、やらせることができていなくても成果は得られません。 うまくいかないエクササイズの誘導について質問を出しましたが、動作の修正における基本的なことが抜け落ちていました。 うまくいかない動作があるとうまくいかないところを何とかしようと考えてしまいがちですが、動作の修正の基本はその前後の動きが良くなれば大事な動きは自ずと良くなります。そういう視点が抜けていました。またサポートについても適切な動きでやるための適切な位置をサポートできていないということに気がつきました。

他にもマシンでの魚住方式の応用の仕方についても学べました。 どうしても力が抜けにくく切り返しや伸張反射をうまく引き出せない人でもマシンでは勝手に戻してくれるので自然と力の抜き方の感覚も掴めますし、軽い重りでも大きなストレスをかけることができますので結果的に弾力のある柔らかい筋肉を作ることができます。 マシンを使った魚住方式の応用は自分でも考えてやってみてはいましたがもっと楽に、軽くで良いのだということがわかりました。

市民ランナーのためのストライドを伸ばすためのトレーニングや世の中でよく行われているエクササイズを見ていくことで何がおかしいのか、そういったことをわざわざやらなくてはいけないのか、もっと有効なやり方はないのかなど考えることの大切さを学んだり、充実した4時間を過ごせました。