岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

筋力アップすればマラソンのタイムは短縮できる?

「ランニングはジャンプの連続、体重の3〜5倍のストレスが脚にかかるからその衝撃を受け止めるだけの身体の強さが必要。また、筋肉量が増えれば筋力もアップする、だから走るためには筋トレをしましょう、高重量でのスクワットやデッドリフトで脚を鍛えましょう。」というようなことが言われます。

しかし、スクワットやデッドリフトをやっているのにランニングの記録が伸びないという相談は実際によく来ます。 スクワットやデッドリフトは足を地面に着けた状態でその場で脚を曲げ伸ばしして上下に動く運動です。 一方、ランニングは重心が前に移動しながら足が宙に浮いた状態から着地して反力、反動をもらって弾みを繰り返し脚は回転運動をします。 動作的には脚の曲げ伸ばしがあっても脚の動きなどが違います。 だからスクワットやデッドリフトの力が伸びても100%ランニングのパフォーマンスに繋がらないのです。

衝撃を受け止める体づくりという点で考えてみると、接地の衝撃が体重の3〜5倍のストレスがかかるというのであれば考え方を変えればトレーニングの負荷にすることもできるということです。 走ると膝や股関節などに痛みが出るという人の多くは接地に問題があります。 適切な接地で走ることが走るために必要な脚の筋肉、衝撃を受け止める体を作るトレーニングになるのではないでしょうか。 実際に指導している市民ランナーの方はセッションの中ではウェイトトレーニングはしませんが自然な重心移動と適切な接地で走ることで走るために必要な筋肉がバランス良く付いています。

筋力アップとランニングスピードの向上ということを考えてみてもスクワットを何kg、デッドリフトで何kg挙がればどれくらい速くなるのかはわかりません。 ランニングスピードはピッチ×ストライドによって決まるということはわかっています。

ラソンの場合、ピッチはだいたい1秒間に3歩のリズム、トップレベルの選手でも3.3~3.4歩くらいです。 ストライドはトップレベルの選手だと計算してみると1歩のストライドが1m80cm近くになります。 フルマラソンで4時間、5時間かかる人の場合は計算してみると1歩のストライドが85cm〜95cmくらいになります。 ピッチは1秒間に0.3歩しか違わないのにストライドは倍近く違うわけです。 そうすると速く走るために必要なのは脚の筋肉量を増やして最大筋力をアップさせることではなく、1歩のストライドを伸ばすこと、“跳ぶ力”をアップさせることになります。

レーニングしてタイムが伸びるかどうかの保証がないものをやるのか、クリアすべき課題が明確になっているものに取り組むのか、どちらが効果的な方法なのかは誰でもわかることなのではないでしょうか。