岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#125 フィジカルクリニックを開催しました②

10月に続いて魚住先生を岡山にお招きしてのトレーニングクリニックを開催しました。 この会は受講される方のお悩みや問題を解決するということが目的ではありますが、私個人としても魚住先生が直接指導する様子を見ることで問題の原因を見抜く目、動きを見る目を磨くことができますし、サポートや誘導、声かけといった部分でいろいろ気づきがあります。

・問題の原因の追究 今回も自分が指導していて問題がスッキリ解決できない方を先生に見ていただきました。 個人教授の中ではいろいろアドバイスをいただいていましたがいろいろやってもうまくいかない理由はきちんと問題の原因が追究できていないことにあると改めて感じました。

いつも片側の脚の重だるさに悩んでいるという方のケースでは問題の原因はいつも同じ体勢で長時間作業をしているせいで脳が仕事中の姿勢をニュートラルとして認識してしまっていることや特定の筋肉のオーバーユースにありました。 問題の原因がはっきりするとそれを解決するアプローチを行っていきますが、やることは非常にシンプルです。 皮膚テーピングを利用してピンピンに張ってしまって余裕のない皮膚に皮膚テープを施して皮膚に余裕を作ります。 背中や腰の緊張を緩めるために腰椎や胸椎、頚椎といった部分に貼るだけでなく手や足といった末端部分にもテーピングを行います。 末端部分の皮膚に余裕ができると肩甲骨周囲の緊張が緩んで腕がスムーズに挙がるようになりましたし、足の甲や踵の部分の皮膚に余裕を持たせることで足首の動きが良くなったり、外踝の辺りに余裕を持たせると大腿部の外側も柔らかくなりました。 それだけで筋肉の緊張度のバランスが整い立ち姿勢が良くなります。 オーバーユースのせいで強く緊張している筋肉の緊張をマッサージローラーを使ったり魚住方式を使って緩めていきますがそれほどたくさんのことをしていないのに問題の筋肉の緊張が緩んで脚の重だるさが解消されてしまいました。

股関節や腰の痛みで悩んでいるという方のケースでも長時間のパソコン作業や日頃の立ち方、歩き方の癖が原因で姿勢が崩れてしまっていました。 普段指導している中で股関節の可動域が狭いことが気になっていましたが、皮膚テーピングで体幹の緊張を緩め、肩の外転運動の魚住方式を小さな動きからバンザイのところまでスムーズに移行していって体幹の筋肉の緊張度のバランスを整え、脊柱を良い位置に安定させて姿勢を整えることで変化が見られました。 それに仙腸関節の動かしや股関節のモビリゼーションを小さな動きから丁寧に繰り返して中臀筋に緊張を解除すると股関節の可動域に大きな変化が見られました。

メニエール病の症状で悩んでいるというケースでは体が捻れて首や頭皮が強く緊張していることが原因ではないかということで同じように皮膚テーピングと魚住方式のトレーニングで全身の筋肉の緊張を緩めて緊張度のバランスを整えてみると背が縮んでしまっているように見えた立ち姿も脚が長くなり背が伸びたような感じに見える立ち姿勢に変わりました。 そうすると首や頭の重い感じもなくなり今までにないくらいの軽さ、爽快感が出てきたようでした。

これらの問題に対しては全身の筋肉の緊張を緩めるためにとりあえず魚住方式のトレーニングを全身に対して行っていましたが、先生の指導はたくさんのことをしないのにきちんと問題の原因に対して的確にアプローチしていくのでいろいろやらなくても問題が解決されます。 問題の原因を追究するという基本的なことのレベルの差が結果に表れているのだと感じました。

・意識過剰な人への指導 私が見ているクライアントさんに共通するのが真面目な性格できちんとやろうと強く思い過ぎるために緊張してスムーズに体が動かせないことです。 意識は緊張に繋がり、意識過剰になれば緊張はさらに強くなります。 そういった方に対して先生がどのように力の抜けたスムーズな動きに導いていくのかと注目して見ていましたが、大きな動きを求めない、あれこれ細かく指示や動きを教えない、相手が緊張しないように声のトーンや声かけの仕方に変化を付けているように感じました。 実際に動いている様子を見ていても筋肉が緊張する瞬間が全くなく、柔らかく弾力のあるものが動いているように見えます。 腕の前後のスイングや外転運動、肩の挙上・下制、股関節の内旋・外旋運動もそれほどたくさんの回数、セットを行うわけでもないのに終わった後は筋肉の膨らみ、弾力が出てきます。 丁寧にあれこれ細かく説明することが真面目な性格の人には逆に動きにくくする、スムーズな動きを妨げていたのだということ、誘導、サポート、声かけといった基本的な部分のちょっとした工夫でこんなにも簡単に力みが取れるということに驚きました。

・相手の脳に教える 今回クリニックをスタートする前に先生から「相手の脳に教えること」で結果が大きく変わってくるということを教えていただいていました。 そういったことを踏まえて先生の指導を見ていると相手にいろいろと気づかせて、感じさせるような声かけをたくさんしていました。

レーニング前に立ち姿勢をチェックする際にも例えば右と左の筋肉の硬さや大きさの違いであったり、皮膚にテーピングをする前と後での動きやすさの違い、魚住方式の運動を1つした後の筋肉の膨らみや皮膚の余裕度の変化、体を動かした時の骨や関節の動き、全身の筋肉の緊張度のバランスを取った時の立ち姿勢の変化や立ちやすさなどいろいろなことを相手に感じさせていました。

最初はクエスチョンマークが浮かんでいたような感じの方も少しずついろいろなことが感じられるようになったりわかってくるようになると変化が大きくなっていったように感じました。 相手に気づかせる、感じさせることの重要性はわかっていたつもりですが、実際に先生の指導を見ているとまだまだ全然足りないこと、脳に教える、覚えさせることの変化の大きさを実感することができました。

先生の指導を受けた方も結果に非常に満足されていましたが、私自身もたくさんのことに気づき、学ばせていただきました。 今回の気づき、学びを普段の指導に生かしていきたいと思います。