岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

普通の体の柔らかさがあればいい

「スポーツ選手が筋トレで筋肉を付けても動きが硬くなってしまう。高いパフォーマンスを発揮するには柔らかい筋肉が必要だ」とよく言われますが体が柔軟であればパフォーマンスが高まるのでしょうか。体が柔らかくないとうまくなれないのでしょうか。体が硬いとダメなのでしょうか。何のために柔軟性が必要なのでしょうか。どんな柔軟性が必要なのかよく考える必要があります。

体が柔らかいというと一般的には開脚前屈をして体が床にピタッと付くくらいのことをイメージしますが、そんなことが柔軟性が必要なのは曲芸師くらいです。

普通以上、過度に体が柔らかいことも異常です。障害に繋がります。 一般の人もアスリートも必要最低限の柔軟性があれば十分ということです。 前屈が柔らかい、開脚ができる、バンザイができなければ普通にできるくらいの柔軟性を取り戻す必要はありますが、そういったことができることと投げる、打つ、走る動作のスムーズさにはほとんど関係ないありません。

スポーツで言われる体が硬いというものの多くは“動きの柔軟性”です。 動作がスムーズでない、ぎこちない、可動性が悪い、そういったものを体が硬いと表現されています。 動きの柔軟性と筋肉の柔軟性は同じではないのです。 平泳ぎのトップレベルの選手で平泳ぎでは股関節の動きのぎこちなさは全く見られず流れるような動きでキックを打つのに足の裏を合わせる股関節のストレッチングのポーズをとってみると脚が床に着かないほど硬いというようなこともあります。

動きの柔軟性は身のこなし、その動きの体の使い方、手順が適切に行われているかどうかが大きく関わってきます。 動きはある筋肉だけで行うことはありません。 適切な動きで行う、スムーズに行うことをしていればそれなりの可動性は確保できますし、可動域が狭いというケースでもスムーズな動きを繰り返していけば自然に可動域は良くなります。

ゴルフをしているクライアントさんのケースでは、バックスイングの捻りの可動性が悪いという相談を受けて左右の連続的なスイングを繰り返すということを行いましたが、適切な動きでやると始めは小さな動きだったのが繰り返し行っていると短時間でどんどん可動性が良くなりました。 それによってクラブのヘッドをしっかり加速できるようになってスイングのパワーが上がり飛距離も簡単に伸びました。 市民ランナーの方のケースでは、スムーズな動きで適切な接地の練習をすることでストライドが伸びてランニングスピードがアップしました。 どちらのケースでも動きが良くなり可動性が良くなると筋肉の柔軟性、弾力性が高まりました。 ストレッチングで筋肉を伸ばしても動きの柔軟性は変わりませんが、動きの柔軟性が高まれば筋肉の柔軟性は高まります。

高いパフォーマンスを発揮するにはコンディショニングを整えることです。 筋力だけ上げてもコンディショニング不足ですし、筋肉の柔軟性だけ上げても発揮する力が小さければコンディショニング不足です。 結局はどちらも高いレベルに揃えないといけないのです。 筋力だ、柔軟性だと身体的要素の1つを取り上げてあれこれ言っても埒があかないということです。

スポーツをする人は強い体、大きな力を出せる体を作り、そしてその競技の動作を適切な手順、体の使い方で行いながらしっかり練習すればいいのです。