岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#19 コンディショニング、バイオモーターアビリティについて学んできました

H.S.S.Rラボへ伺って「トレーニング基礎理論の考え方と理解の仕方」について学んだ。 個人的に「コンディショニング」、「バイオモーターアビリティ(筋力、持久力、スピード、調整力、柔軟性)」についてきちんと理解できていないので基礎理論を学び、頭の中を整理するため。

まずはバイオモーターアビリティの1つ1つの要素について考え方から。

・筋力について 最大筋力を高めるということが目的となります。 筋の力の発揮の仕方や収縮形態についての用語、アイソメトリックやコンセントリック、エキセントリック用語の意味だけでなく、最大筋力を高めるために実際の指導の場面でそれらの力の発揮形態でどのように高めることができるのかについても整理した。 筋力というのは実際の指導の現場でも当たり前のように使われている言葉ですが、意外と理解できていないもの。

筋の収縮にもいろいろなパターンがあり、それを応用することでトレーニングの刺激のバリエーションもたくさん出てくる。 単純に筋肥大なら70~80%1RMという発想にはならないということ。 以前、「トレーニングの刺激の変え方は無限大にあります」というアドバイスをいただいたのですが、その時はよくわかりませんでしたが1つ1つ整理していくことでその意味がわかったように思う。

筋を肥大させたり、筋持久力を向上させたりするときに使われる〇%1RMという負荷設定は週に2~3回くらいしかトレーニングしない一般の方を指導する時でもきちんとテストしないといけないのか?と疑問を感じていましたが、動きを見る目を養うことができれば、だいたい何%1RMくらいの負荷がかかっているのかわかるということが分かった。

その他にもドローインやインナーマッスル・アウターマッスル、スタビライゼーションやバランストレーニングなど、トレーナーが勘違いしてしまっているものについても整理した。

・調整力について 調整力というのは筋力と並んで言葉の定義が難しい。 コーディネーション、コオディネーションなど様々な言葉で表される。 コーディネーションは思った通りに手足が動かせるような身のこなしの上手さで、それを身につけるためにはパターン化されたドリルをゆっくりから少しずつ速く行っていく。 つまりできる→できるの積み重ね。 しかし、試合などではそのようなドリルには出てこない動きを要求される場面が出てきます。 これとは違った考え方がコオディネーションにはある。 つまり、予測できない不意の動きにどのように対応するかということ。 ですからコオディネーションのトレーニングでは、「できない」ことをやる。 しかし、それはできないわけですから、上手くできるようにすることが目的ではない。 そのような刺激を与えることによって実際の試合で予測できない動きに対応できるものを養っておくということ。 野球で取れないようなノックを行うことがありますが、考え方によっては、そういうボールに反応する動きを身につける練習になるわけです。(ほとんどの場合は違う目的で行われているが・・・)

調整力に関しては一般の方のレベルであれば、身体がきちんと使えているかどうか?動かす手順が合っているかどうか?ストップがかかることなくスムーズに動くことができているかどうかが大切。

・柔軟性について 静的柔軟性と動的柔軟性があり、静的柔軟性はスポーツパフォーマンスの向上には直結しないが、硬いと身体を動かす際に大きなストレスを自分で受けてしまうので、ノーマルな状態までは楽に動かすことができるようにしておくことが大切になってくる。

・持久力について 持久力は有酸素能力、最大酸素摂取量が目安になる。 その中でも体重1kg当たりの最大酸素摂取量が目安になる。 女子のマラソンではレースに合わせてウェイトコントロールをする。 身体が軽ければ酸素を体重が軽くなった分だけ有効利用できるから。 その他にも心拍数とスピードが正比例する。

・パワーについて パワーに関しても勘違いしていることが多く、理論的には「最大筋力×1/3×スピード」で向上するが野球のバットのスイングスピードを上げたい時に理論上ではベンチプレスが160kg挙がるなら、その3分の1の50kgくらいのシャフトを振ったらスイングスピードが上がるのかということになりますがそうなるとは限らない。 大切なことは自分がいつも振っているバットを速く振る感覚を身体に覚えさせるか。 ですから負荷もいつも振っているバットの重さが基準になる。

・その他の要素について その他にもアジリティやモビリティなどもあるがコンディショニングはこれらの身体的な要素だけでなく、精神的な要素、栄養の要素、休養の要素など全てをバランス良く高いレベルに持っていかなくてはならない。 一般の方であれば競技をしている人であってもそこまでにしなくてよいが、これらを全て満遍なくというのは大変。 それがトップレベルのアスリートの指導となるともっと考えて行わないといけない。

基礎理論とはいえ、トレーニングやコンディショニングというものの奥の深さを改めて感じた。