岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#27 ウォーキングとランニングについて学んできました

定例勉強会の今回のテーマは、「ウォーキングとランニング」

ウォーキングとランニングについては昨年も教わたので世界陸上を見ていても世界のトップレベルのアスリートの走りの素晴らしさは私程度のレベルでも少しわかるようになった気がする。 世界のトップのレベルはどんどん上がっているのに、日本人の選手のレベルはなかなか向上しているようには見えない。

100mを見てみても世界のトップは9秒7で走る選手が多いのに日本人は伊東浩司さんの記録(10秒00)を未だに破れず、9秒台は夢のまた夢です。マラソンでも昨日世界記録が生まれましたが、長距離の世界でもどんどんランニングスピードは上がってきています。 朝の情報番組で国立スポーツセンターの設備の素晴らしさを放送しているのを見かけましたが、何億円もかけて素晴らしい測定の器具やトレーニング設備を揃えていても、世界との距離は離れていく一方ですから単に身体面だけの問題ではなく、指導者がきちんと速く走るための走り方やそのために必要なトレーニングについて理解しておくということが大切になってくるのでしょう。

大学時代の友人がアキレス腱炎で悩んでいますが、先生のお話を伺うと接地がフラットにできないと下肢の障害が起こりやすいようです。 トップレベルのアスリートの走り方を見てみるとつま先だけで走っているように見えますが、身体はフラットに着地するように使っているそうです。 ただ脚の回転のスピードが一般の人のレベルより遥かに速いためにフラットに着地できないそうだ。 しかし、トップレベルのアスリートの足の裏にはマメやタコはなく、とても綺麗な足をしているそうだ。

一方でトップレベルのアスリートより遅くしか走れない一般の方では足にマメやタコができてしまうということをよく聞く。 それは姿勢の崩れといった身体的な問題もあるとは思いますが、走り方にも問題があるから。

魚住先生の「スポーツトレーナー虎の巻」にも書かれていますが、走るスピードを向上させるためには「ピッチ×ストライド」が必要です。

ピッチはもともと持っている筋の収縮スピードが大きく関わってきますが、ストライドは練習やトレーニングで変えることができます。

日本のマラソンを含む長距離選手には「ピッチ走法」と呼ばれる重心を低く保ち小さなストライドでちょこちょこ走る走り方が多い。(短距離と長距離で走り方を変えてしまう)

しかし、世界陸上を見ていても世界のトップレベルの選手はまるで短距離走をしているかのように大きなストライドで弾むような感じでリラックスして走っているように見えた。 日本選手のような走り方をしていると脚を使いすぎるために呼吸が苦しくなるよりも脚の筋肉が疲労してしまい、ついていけなくなるそうだ。 世界のトップレベルの選手はフラットに着地することで地面からの反力をもらっているから弾んでいるのであって地面を蹴ったりすることは意識的にしていないそうだ。 ですから脚が疲れることもなく、ゴールした後もまだまだ走れそうなくらいの余裕が見える。

今のままではラストのスプリント勝負に持ちこまれると脚が疲れている日本人と余裕のある世界の選手とでは勝てる要素はない、速く走るための走り方を知り、その練習をしなければ難しいのかもしれない。

速く走るためにと大腰筋(膝を持ち上げる働きがある筋肉)を鍛えるトレーニングをしている方もいるかもしれませんが、世界のトップレベルの選手は意識的に使っていないそうだ。 伸張反射(筋肉は急激に伸ばされると筋肉が切れないように縮もうとする働きがある)と呼ばれる作用を使って脚を前に振りだしています。 それも意識的にではなく、リラックスしているからこそ使える。 そういった自然な身体の反応を利用するので脚が素早く前に運ばれているように見える。 大腰筋が発達しているように見えるのもこのように走りながらエキセントリックの刺激を筋肉に与えているからなのです。 つまり、走ることが大腰筋のトレーニングになっているということ。

しかし、トップアスリートの脚しか見ていなければ速く走るために大腰筋が必要だと勘違いしてしまい、腿上げのようなトレーニングを一生懸命してしまいますが結局速く走ることはできない。 目的と方法が合っていないということ。

後半のランニングの実技では、まずフラット着地の練習から行った。 フラットに脛骨の真下で着地をしようとするとお尻に着地の衝撃が伝わってくる。 それから着地の反動をもらう感覚の練習です。 以前は反力をもらおうと意識しすぎていましたが下腿をリラックスさせると自然と反動で軽い弾み感が出てきた。

それから片足ずつでフラット着地しながら少しずつ前に進む力を貰う感覚や膝が前に出ていく感覚の練習を行いジョッグに移っていきました。 以前よりリラックスの感覚を掴めたような気がしたおかげか軽いジョッグでも太ももに全く疲労感を感じることなく走れた。

次にストライドを伸ばすための脚の巻き上げを重心の移動距離を少し伸ばすよう自分で意識しながら行いました。 ゆっくり走っているつもりなのですが、身体が弾むので気持ちも良いですし、どんどん身体が前に進んで行きました。 自然にストライドも伸びたように感じた。

先生からも歩きが硬かったのにリラックスできて走りが良くなったと仰っていただき本当に久し振りに気持ちよく走れた気がします。 こういった練習なら走ることが楽しくなってきそうだ。 自分の走る感覚が良くなったので、次はいかにお客様にこの気持ち良い走りを伝えられるか。

歩きの見方、直し方についても教わりましたが、まだまだ原因を見抜く目や問題を解決レベルも必要です。 私がなかなか上手くいかなかったものを先生は少し見ただけで問題点を見抜いて直してしまう。 あのレベルに行き着くまでは長い道のりだ。

クールダウンで新たな身体調整を行いましたが、今回はストレッチングでは出ない方が良いと言われる伸張反射を用いたストレッチを教わりました。 テレビで理学療法士の方が使っていたテクニックを応用されたそうですが、簡単に結果が出るので本当に驚いた。

応用力を含めて、本物のレベルの高さを改めて感じさせられました。