岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

高校生とプロのピッチャーはどこが違うのか?

春の選抜が始まり、注目の好投手も続々登場しています。 少し前までWBCが行われていたこともあり、日本を代表する投手やメジャーリーグの投手と高校生の投手の投げ方の違いがよくわかります。

速い球を投げるためには腕を力いっぱい振るのではなく、全身の繋がりを使って、下半身からの力をきちんとボールまで伝えることです。 そのためには真っ直ぐに立って位置エネルギーを蓄え、そこから重心を前方へ移動させることによってボールに加速力をつけます。 この前方への重心移動のスピードが投球スピードの60%が決まります。

トップレベルの投手は真っ直ぐに立ち、そこから重心を前方へ移動させて投げにいきます。 しかし、高校生の投手のほとんどは立った後に1度重心を下げます。 ボールが高めにいかないように、ボールを低めにコントロールさせたいためにこういった動作を指導されるのでしょうが、不自然に沈みすぎて重心を下げすぎると前方への加速度が制限されてしまいます。 結果的にボールスピードの減速に繋がります。

つまり、重心を低くしてもボールが速くなったり、コントロールが良くなることはないということです。 下手をするとフォロースルーで腕を巻き込むことができなくなり、その結果、減速できず腕が前方に放り出されて肩を痛めてしまうこともあります。

もちろん筋力の差もあるでしょうが、骨や関節、付いている筋肉が違うわけではありませんので身体のメカニズムは同じです。 腕が対角方向に振られるわけですから正しく身体を使えばわざわざ重心を低くしなくてもアウトローにしかいきません。

ボールを長く持てているとか、しっかり前でリリースできているという解説もよく聞きますが、正しく身体が使えればボールが1番前にあり、次に手首、肘、肩の順に並ぶようになります。 それを意識的に肘を前に出してしまうと、肘→手首→ボールのようなイメージになってしまい、ボールを下から上に押し出す形になりインハイに抜けてしまいます。 リリースはほんの一瞬ですのでそんなところを意識してしまうと逆に外れた動きになってしまいます。

動作を修正する時の基本は最も加速されているメインの動きではなく、その前か最後の動きを修正することです。 前であれば立つ、重心移動といったことやテイクバック、最後であれば腕を対角方向へ巻き込むことです。

コントロールを良くしたいのであれば身体の使い方を見直し、無駄や力みのないスムーズな動きをすることです。 そうすればオーバーユースでない限りは肩や肘を故障するリスクを減らすことができ、気持ち良くボールを投げられるようになるはずです。