どうして鍛えた筋肉がパフォーマンスに繋がらないのか?
いろいろなスポーツで筋トレが導入されています。 本やネット、テレビでもプロのアスリートがやっている筋トレを知ることができるので、プロ選手と同じトレーニングをすればプロになれるのではないかと思ってしまう方もいるのではないでしょうか。
インターネットを検索してみても、 「速く走るためにはどんな筋トレをすればいいですか?」 「跳躍力を伸ばすにはどんな筋トレをすればいいですか?」 「速いボールを投げるためにはどんな筋トレをすればいいですか?」 「ゴルフのドライバーの飛距離を伸ばすためにはどんな筋トレをすればいいですか?」 いろいろなスポーツのパフォーマンス向上のための筋トレに関する質問をたくさん目にします。 中には回答が書き込まれていて体幹を鍛えるのが良いとか、具体的なエクササイズと負荷、回数まで親切に書いてくれているものもあります。
しかし、よく考えないといけないことは、 「本当に高いパフォーマンスが発揮できないことが筋肉、筋力だけの問題なのか?」ということです。 競技についての筋トレの質問も多いですが、同じように多いのが筋肉・筋力は向上したのに、 「走っても速くならない」、「ジャンプ力が変わらない」、「ボールが速くなっていない」、「打ってもボールが跳ばない」というものです。
その理由は、『トレーニング』と『身体の使い方』は別問題だからです。 『1つのトレーニングの効果は1つだけ』です。 ベンチプレスが60kgだったのが100kg挙がるようになっても、投げるボールのスピードが速くなったり打球の飛距離が伸びるわけではないということです。
逆に考えれば速いボールを投げたければ投げる練習をする、打球の飛距離を伸ばしたいのであればバットなり、クラブを振る練習をそのパフォーマンスを向上させることはできないということです。 そのためには『投げ方』、『打ち方』という基本的な身体の使い方を知っておかなければなりません。 スポーツのパフォーマンスが向上しない、筋トレで鍛えた筋肉が競技のパフォーマンスに全然役に立たない理由は、基本的な身体の使い方ができていないからです。
『投げ方、打ち方、跳び方、走り方』と『ピッチング、バッティング、スイング、ジャンプ、ランニング』は違うものです。 投げ方、打ち方、跳び方、走り方には理に叶った身体の使い方『スキル』があります。 それを各スポーツの競技特性に合わせて応用したものがピッチング、バッティング、ジャンプ、ランニングといった『テクニック』になってきます。
競技のパフォーマンスを向上させたければ筋トレだけでなく、走り方、跳び方、投げ方、打ち方という基本的な身体の使い方までトレーニングをしなければいけないということです。 何か特別なことをすれば高いパフォーマンスを発揮することができるようになると思っている方には残念な話ですが、答えはだいたい当たり前のこと、シンプルなものに落ち着くものです。
プロは基本的な身体の使い方ができるからプロなのです。(いわゆるセンスというやつです) その中からさらに一流になるためにベースとなる身体の身体的な要素を高めるためにトレーニングをしているのです。 アマチュアはまず自分の能力をしっかり出し切ることを目的に『練習』することです。