岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

型にはめたフォームでは球速やスイングスピードは上がらない

先日メジャーリーグオールスターゲームの録画を見てましたが投手はほとんどが150km/h以上のスピードボールを投げ、打者もほとんどの選手が打率は3割、ホームランも2ケタ、中には前半戦だけで40本近く打ったバッターや2年連続3冠王が狙えるようなバッターまで・・・まさにスーパースターの祭典です。

ピッチングフォーム、バッティングフォームは1人1人の個性はありますが、基本的には、 「テイクバックした後、ボール、バットに最大のパワーを与えて如何に最大に加速させるか」 ということを大切にしています。 ボールとバットという道具の違いはあってもどちらも手の延長線上にありますのでそれを加速させていくことが高いパフォーマンスを発揮するためには必要になってきます。

バッターを見てみると、どの選手も太い腕をしています。 太い腕が必要な理由は日本とメジャーの違いがあるからです。 最近では日本でも増えてきましたが、メジャーの投手はボールを動かしてきます。 ストレートでも外へ逃げたり、内に食い込んできたり、時には沈んだり・・・ 微妙に変化するストレートを素早く捉えるために腕の力も必要なのです。

しかし、基本的な動きを見てみるときちんと立ち、小さな重心移動を入れ、反射、重力加速度を利用してバットを最大に加速させています。 手元で微妙に変化する球に対応しないといけないので重心移動が小さく、腕の力だけで打っているように見えますが、振るという基本の身体の使い方は高いレベルで行われています。

また、ゲームの中の解説でも言われていましたが、腕が太いので重いバットを振っているように思われがちですが、みんな軽いバットを使っています。 バットを速く振りたいわけですから軽いバットを使うというのはある意味当たり前のことです。

そしてどの選手もバットを長く持っています。 日本ではボールに当たらなかったり、振り遅れると、「バットを短く持て」とアドバイスしますが、それでは長打は期待できません。 短く持つということはバットをコントロールしやすくなるのでバットに当たる確率は高まりますが、遠心力はちいさくなるので遠くへ飛ばすのは難しくなります。

長打を打ちたいのであればバットは長く持って遠心力を利用しながら全身を使って大きく振る、ヒット狙いならバットを短く持ってしっかりバットをコントロールしてきちんとボールに当てていくということです。

投手にしても上半身の強さばかりに目が行きますが、足を挙げて片足1本で立った時にグラグラすることなく綺麗に立っています。 綺麗に立つというと膝を真っ直ぐ伸ばして立つと思われがちですが、膝が伸びきった状態ではピッチャーズプレートをしっかり押すことができないので前方へ力を伝えることができません。

前方へ力を伝えるためにはただ前に行けばよいのではありません。 この前方への移動スピードは投げるボールのスピードを決めるのでとても重要です。 体を捻ったり、挙げた足を下ろすスピードをゆっくりにしたり、いろいろな投げ方をしていても片足立ちになった時には膝が軽く曲がっています。 そうすることでプレートをしっかり押すことができ、押した反動で前方へ素早い体重移動を行うことができます。 この力が弱いと次に加速していくことができないので大きな力、パワーにも繋がりません。 一流と呼ばれる選手はこの体重移動の時に下半身を使ったエネルギーの変換が上手かったり、ダイナミックです。 そういう意味で「下半身を使って投げる」ことは重要なのです。

そして下半身がしっかり使えているので腕はリラックスして、しなりを使って投げています。 さらにフォロースルーでは素早く対角方向に腕を巻き込むようにしています。 腕を大きく振った方が速い球を投げられそうですが、遠心力が働きますので肩が持って行かれそうになり肩をケガする危険性が高くなります。 つまり投げる際には腕の軌道を小さくすることで速く振れるようになり、下半身で生んだ力を効率良くボールに伝えることができるということです。

やはり一流は高いパフォーマンスを発揮するために必要な部分をきちんと押さえているから、あれだけのプレイができるということです。