いくら体幹を鍛えてもパフォーマンスはアップしない
最近は体幹という言葉も一般的に知られるほど有名になってきました。 テレビや本などでもアスリートがやっているようなものが紹介されたりしてますので体幹トレーニングの重要性を感じている人は多いと思います。 実際に検索してみても野球のため、ゴルフのため、ランニングのため、水泳のため・・・様々な競技で体幹トレーニングがあります。 しかし、体幹トレーニングをすればパフォーマンスが上がるというわけではありません。
それは、『体幹は決して動きの主役ではない』からです。 体幹でボールを投げたり、走ったり、バットやクラブを振ることはありません。 動きの主役は“手脚”です。 手脚が動くのに先立って体幹の筋肉の筋活動が起こりますが、ボールを投げたり、走ったりする際に圧倒的に仕事をするのは手脚です。 体幹だけを鍛えても手脚との繋がりが上手くできていなければ鍛えた筋肉が実際には何の役にも立たないという結果に終わってしまいます。
特に一般的に言われている体幹は“腹・背筋”などの脊柱や骨盤を動かす筋肉が中心です。 そして体幹を鍛えるというエクササイズもうつ伏せや仰向けになって行うようなものやバランスボールの上に乗って行うようなエクササイズが多く、強化というよりも使い方を覚えるためのトレーニングが中心です。
こういったトレーニングでは体幹を固める感覚や体幹を固めてバランスを取ることは上手くなりますが、負荷が弱いため力強さがアップするようなことは決してありません。
そうなってくるとやはり大切なのは、『目的が何なのか?』ということです。 体幹を固定する感覚を養いたいのであれば間違ったトレーニングではありませんが、筋量・筋力アップの目的には合いません。 筋量・筋力をアップさせたいのであれば強化するための“負荷”が必要になってきますから高負荷でトレーニングする方が効果的です。
ゴルフのパフォーマンスアップを目的としたクライアントさんを見ていますが、競技をする人に必要なカラダは“ブレないカラダを作ること”です。 そうなると体幹だけでは足りません。 下肢や上肢との繋がりも考えてトレーニングすることが必要だと考えて負荷をかけてスクワット、デッドリフトをやっていただき全身をしっかり強化します。 結果としてスイングしやすい身体になり、良い結果が出ています。 ※もちろんコーチの指導があってゴルフは上手くなりますから、トレーニングだけの効果ではありません。
どんなトレーニングも目的に合っていれば間違いはありません。 効果を感じないのはトレーニングの効果が目的とは違うところに出ているからです。 アスリートがやっているから、誰かがやっているからという理由でトレーニングをするのではなく、どういった筋力・筋肉、どういったカラダが必要なのかという目的をしっかり持ってトレーニングをすることが大切です。