岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#62 関節モビリゼーションについて学んできました④

今回のテーマは『関節モビリゼーション:関節へのアプローチ』です。

モビリゼーションの本来の目的は?

関節モビリゼーションは関節の動きを良い状態にするために用いるテクニックです。 動きを良くするというと正しく動かそう、動きの硬い骨や関節を動くようにしようと思ってしまいがちですが、本来は元々持っている動きに戻すためのもので、骨や関節を楽な状態で動かしていくというテクニックです。

スムーズに動かせば骨同士がきちんと噛み合うことで滑液が出てきてどんどん関節がスムーズに動くようになり、関節の可動域も改善します。 関節がスムーズに動くようになれば筋肉の余計な緊張も抜けて柔らかい弾力のある筋肉になります。

膝の痛み、脚に捻れがあるというケースに対して改善のために股関節、膝にアプローチしていくテクニックを行いました。

まずは太ももの筋肉が360度全部緩い状態で楽に動かせる方向で動かすことを何度も繰り返しましたが、それだけで股関節、膝関節の動きが良くなり、関節周囲の筋肉の余計な緊張がなくなり柔らかくなりました。

そこから膝関節が本来持っている動きをインプットしていくと大腿四頭筋ハムストリングスも内転筋も臀筋も全てが弾力のある柔らかい筋肉になり、X脚気味だった脚が真っ直ぐになってきちんと脚を伸ばして立てるようになったり、捻れがなくなることで太ももが細く引き締まりました。

早く良くしたい、もっと大きく動かしたいと結果を焦るとついつい丁寧さがなくなって強引に動かそうとしてしまいます。 たったそれだけで関節の動きのスムーズさはなくなり、筋肉には緊張が生まれ、緩めたいと思っていても思うような結果にはなりません。

ゆっくり丁寧に、最初は小さくしか動かなくても相手が一番楽な動きからやっていき、緩みが出るまで回数を増やせば徐々に筋肉は緩み、関節可動域が広がり、関節本来の自然な動きに戻ってくれます。

情報からフィードバックしていくこと→原因の追及

肩が痛い、膝が痛い、腰が痛いということはよく相談されますが、痛いとひと言で言っても時間が経過したことで悪化した痛みなのか、損傷した痛みなのか、筋力が低下したための痛みなのか、人それぞれで痛みの概念が違います。

膝が痛むにしても太ももの内側なのか外側なのか、脛の内側なのか外側なのか、お皿の上なのか下なのか、そこまではっきりさせないといけません。

痛みが出ているところと関係している筋肉に緊張があれば痛みの部分だけにアプローチしても改善することがないからです。

痛みの原因を探るにしてもどんな仕事なのか、作業姿勢は、いつから痛いのか、痛みを改善するためにどんなことをやったのか、結果はどうだったのか、他にどこか不調を感じるところはないのか、そういった相手の情報からフィードバックしていくことで痛みや不調の原因を見つけることに繋がります。 相手の身体の状況がどれくらい想像できるのかは経験が必要だと感じました。

事前に提出した質問の中の少ない情報から原因を見つけていくために先生がする何気ない質問が確実に不調や崩れの原因に迫っていくのを目の当たりにすると圧倒的にその経験数の違いを痛感します。

今あるテクニックをどのように使っていくかが重要

経験という面ではテクニックも同様です。 せっかく教わったテクニックもやってみなければ結果もわかりませんし、技術の向上にもなりません。

上手くいかないとすぐに新しい方法やテクニックを求めてしまいがちですが、新しい方法を求める人はちょっとやってみて上手くいかないとテクニックを修正することもせず、使うのを止めてしまいます。 教わっているテクニックは非常にシンプルで結果も出ますが、かといって誰でも簡単にできるというものではありません。

技術の向上にはそれなりの年数、経験が必要です。 何十回、何百回とやってみて上手くいかないければ原因を探したり、テクニックをチェックしてまたトライしていく・・・それを繰り返すことで少しずつテクニックが自分のものになります。

新しいテクニックを求める前に、相手の身体の状態を想像し、関節や筋肉をどうしたいのかという目的に合わせて今自分が持っているテクニックをどう使っていくのか、それが技術を磨いていくということです。

一般の方に必要なのは柔らかい良い筋肉で毎日いること

悪くなった関節の動きが良くなり、硬い筋肉が柔らかい筋肉になれば身体の状態は良くなります。

それを維持するためには立ち方、歩き方、階段の昇り方、降り方など普段何気なくやっている日常生活動作を楽にスムーズにやらせることも大切です。

強い緊張が続けば筋肉は硬くなってしまいますし、使わなくても筋肉の状態は悪くなってしまいます。

そういった意味ではきちんと立たせる、歩き方や階段の昇り降りのやり方を教えるということも良い身体の状態を維持するためには必要なトレーニングです。

これらは必ずしも筋肉を肥大させるようなトレーニングではありません。 ですが、ウェイトトレーニングで大きな負荷をかけるトレーニングをすれば日常生活動作が楽に、きちんとできるとは限りません。

逆に大きな筋肉がなくてもこういった日常生活が楽にできれば一般の人のほとんどは問題なく日常を過ごすことができます。

身体が軽くなればじっとしていることも少なくなり自然と行動範囲を広げてあげることにも繋がります。

そういった意味でも身体を動かすことが少ない方にどういったトレーニングをさせれば良いのか改めて考えてみることも必要だと感じました。

実際に立ち方や歩き方、しゃがんで立ち上がる、階段の昇り降りの動作を先生が指導される様子を見ていてもとどんどん余計な力が抜けてスムーズになっていくのがわかりました。

リラックスして動いていけるような言葉のかけ方、動きの誘導、動きのイメージを相手に理解させる言葉の使い方、こういった言葉の引き出しがまだまだ少ないですが、レベルの高い指導を実際に受けたり、見ることも良い勉強になりました。