岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

ストレッチをしているのに全然柔らかくならない。原因は?改善法は?

「身体が硬いので柔らかくするにはどういったことをやれば良いですか?」という相談が来ました。

前屈をしても床に届かなかったり股割りをしてもきちんとしゃがめません。 しかし、身体を整え筋肉を柔らかくするだけで股割りでしゃがめる深さや前屈も楽にできるようになってしまいました。

筋肉が硬い人はストレッチングをさせるというのが一般的です。 ストレッチングは筋肉の中にある筋紡錘という感覚器に“引き延ばす”という刺激を与えて、徐々にその長さに適応させていくという手段ですが、ストレッチングをしているのに筋肉が柔らかくならないということはやり方の問題も考えられますが、筋肉の状態をよく考えてアプローチすることが大切だと思います。

例えばデスクワークのように長時間座ったままだと腰の筋肉はオーバーユースで縮んで硬くなっていますが、丸くなった背中の筋肉は伸ばされて硬くなっています。

縮んで硬くなっている筋肉を引っ張っても伸びにくいですし、伸ばされて硬くなっている筋肉を引っ張れば筋肉を伸ばし過ぎることになり、伸張反射が起きたり、エキセントリックコントラクション(伸張性収縮)の刺激に反応して筋肉はさらに硬くなってしまいます。 だからずっとやっているのに柔軟性に改善が見られないのではないかと思います。

大切なことは筋肉を伸ばすのではなく、筋肉が元々持っている自然な長さまで“戻すこと”です。

身体を整えるトレーニングでは筋肉の状態を良くするためにあえて筋肉を“縮め”ます。 筋肉を縮めて、リラックスすると筋肉が膨らみます。 それを繰り返すことで筋肉に血液の循環が起こり、筋肉の栄養や酸素が届き、老廃物は排出してくれます。 呼吸を合わせれば新鮮な酸素が硬い筋肉にも届くようになり、さらに良い状態になります。

これだと元々持っている筋肉の膨らみまで戻るだけですから縮んで硬くなった筋肉にも伸びて硬くなった筋肉も柔らかくすることができます。 元の長さに戻すだけなので伸ばし過ぎも起こらず、伸張反射も起こらないので良い筋肉の状態が数日間続きます。

筋肉の緊張がなくなり、元気な状態まで膨らめば筋肉も伸びやすくなったり、関節も動かしやすくなるので前屈のような静的な柔軟性だけでなく股割りのような動的な柔軟性の改善も起こります。

身体の状態によっては必ずしもストレッチングがベストというわけではなく、あえて筋肉を収縮させるとことも柔軟性の改善には効果的だということです。

大切なことはストレッチング=身体を柔らかくするという方法ありきの考え方をするのではなく、身体を柔らかくするために筋肉や骨、関節を刺激するためにどのような方法を使うのかということを考えることが大事です。