岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#63 目的に合ったエクササイズの方法の選択と指導について学んできました③

今回のテーマは『目的別エクササイズ:目的に合った方法の選択と指導』

レーニング=筋トレ、気になる部分を引き締めるにも筋トレ、姿勢改善にも筋トレ、肩こり、腰痛、膝痛の改善にも筋トレと何でも筋肉を鍛えて良くするというイメージが強いですが、ただ教科書通りのエクササイズのやり方で鍛えるだけの単純な発想で上手くいくというほど簡単なものではありません。 何年も繰り返しやっているテーマですが、トレーニングについては勉強する度にその奥の深さを感じさせられます。

筋肉を鍛えるとは?

シェイプアップのためのトレーニングについて考えていく中でたるんだ部分を引き締める、太くなった筋肉を細くするいう目的のために筋肉を鍛えていくことが本当に効率の良いことなのかということを思うようになり“筋肉を鍛える”ということについて考え方を整理するために質問させていただきました。

シェイプアップの前に筋肉が硬いということについて整理しました。 現代人は筋肉が硬い人が多いですが、その状態を考えてみると筋肉が縮んで硬くなる、伸びて硬くなる、使わないために萎んで硬くなるというタイプが考えられます。

筋肉を鍛えるということは筋肉に強い刺激を与えて大きくするという反応を引き出そうとするものです。シェイプアップでもたるんだ部分の筋肉を鍛えて筋肉を肥大させて基礎代謝をアップさせるというのが一般的です。

それは理論上では間違っていませんが、効率を考えてみたときに様々な要因で硬くなっている筋肉に対して強い刺激を与えて鍛えることだけが効率の良いトレーニング法なのか考えてみると他にもいろいろなトレーニングのやり方が出てきます。

硬くなった筋肉を緩めて元の長さ、膨らみに戻して筋肉のポンプ作用を取り戻して血流や酸素の循環を良くすれば体温も上がります。 体温が上がるだけで基礎代謝は簡単にアップします。 そうやって硬くなった筋肉を緩めるようなトレーニングも基礎代謝をアップさせることができるとなるとシェイプアップのための効果的なトレーニングになります。

また、お尻や二の腕内ももがたるんでしまうのでそれを引き締めるために筋肉を鍛えるという考え方もありますが、どうしてその部分がたるんでしまうのか考えてみると自然体できちんと立てていないために筋肉を使わないので部分的な弛みが起こってしまうということもあります。 それなら筋肉を鍛えるよりもきちんと自然体の良い姿勢で立たせて姿勢保持のために筋肉が使われる状態にすることも気になる部分の引き締めに繋がります。

正しいトレーニングを行うことはもちろん大切なことですが、身体を動かすことが少ない人はハードに筋肉を鍛えるということには抵抗があるということも考えらえます。

そんな人にとってハードに筋肉を鍛えるトレーニングをやらせてもまず続きません。 理論的に正しいとは言っても続かなければ結果も出ません。

そういった人に対してはまずは身体を動かすことで身体が軽くなる、姿勢が良くなる、身体が動かしやすくなるという運動に対する良いイメージを持ってもらうようなことからスタートしてみて、そこから筋肉を大きくしたいということになればハードに鍛えていくというような段階的な指導を行っていくという柔軟な発想で考えてみることも大切だと改めて感じました。

ピックアップしてアプローチする

その他の質問では自分が指導している中で思ったような結果が出ていないケースから考え方、アプローチに問題はないかチェックをお願いしました。

前回の勉強会では相手の情報を集め、そこからフィードバックすることが不調などの原因の探究になるということで自分が感じた相手の身体の状態を書き出してみました。

それ自体に大きな問題はありませんでしたが、見つかった原因に対するアプローチに課題が見つかりました。 今回出てきたのは“全部やろうしていろいろなことをやり過ぎてしまっている”というものでした。

身体を緩めたいというケースで、なかなか上手く結果が出ないと何とか結果を出そうとたくさんのことを詰め込んでやってしまっていましたが、そもそもの原因は身体調整テクニックでやるべきアプローチを勘違いしていたことでした。 そこが抜けてしまっていたことで何をやってもそれほど良い結果に繋がりませんでした。

実際にやるべきアプローチをきちんと行い、さらに先生から動かし方など細かい部分を修正していただいた上で自分がピックアップしたアプローチをやってみると少ないアプローチで簡単に身体が緩みました。

どんなに良い身体調整テクニックや身体を緩めるアプローチを持っていても、それをどう使うのか、どのように組み合わせるかまで考えてアプローチしないとそれが持つ良さを活かしきれないということを痛感しました。

『これくらいで良い結果が出る』そんなアプローチを心がけた指導をやっていこうと思います。

相手も自分も動きやすいようにやる

身体調整テクニックでもトレーニングにおいても“こうでないといけない”という形を当てはめるのではなく、一番楽な動きでできるところまでを繰り返すことが大切だということも感じました。

今回はデッドリフトというエクササイズのやり方について考えてみました。 デッドリフトというとバーベルを持ち上げ、下していくという動作ですが、バーベルをどこから楽々持ち上げたいのか?どういった目的でやらせるのか?ということを考えてみると必ずしも本に載っているように床から持ち上げて、床まで下すことだけが唯一の方法ではなくなります。

デッドリフトで最も難しいのがバーを下していく時に膝を通過するところです。 身体が硬いと手でバーを前に出して膝を通過させようとして腰に大きなストレスがかかり腰ばかりが辛くなってしまいます。 しかし、全身運動、臀部やハムストリングスを刺激するためという目的であればきちんとできる膝までのところを繰り返しても狙ったところにきちんと効かせることはできます。

やり方を工夫すれば広背筋や脊柱起立筋を刺激するエクササイズにもなります。 負荷を上げたい時は重量を増やすだけでなく、足元の状態をいろいろ工夫してみれば簡単に刺激を変えることができます。

どうしても理想の形を追い求めてしまいますが、安全かつ効率的にトレーニングを行うとなると相手が楽々と動けるところまででやってもらい、さらに強度を上げたいのであれば重さだけでなくいろいろな発想で刺激を変えていくことでも狙った効果を十分引き出すことができます。

また身体調整で自分が動く時も教わった形にこだわらず、やりやすい、動きやすいようにやった方が相手に不快感を与えず、快の刺激を与えることができ、短時間で身体を緩めることにも繋がります。

レーニングは相手にきちんと動いてもらうということで身体調整とは違った難しさがあります。 いくら自分のイメージが良くても相手がその通りにできなければきちんと指導できたことにはなりません。 トレーニングは指導する側の頭の柔軟性、柔軟な発想が重要、それを改めて感じた4時間でした。