岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

体操はストレッチングより簡単に筋肉をゆるめられる

週に1度スタジオのグループレッスンで筋肉を緩めて姿勢を整えることを目的にした体操を行っています。 体操自体はトレーニングの勉強をきちんとするようになってから、その重要性を感じてトレーニングのウォーミングアップで行うなど以前からずっとやっているのですが、先日参加してくださった方から「この前テレビでやっていた体操に似てますね」と言われさっそく調べてみましたが、某テレビ局の健康番組でストレッチが取り上げられたようです。

簡単にまとめると「筋肉を伸ばすストレッチングをしても筋肉が伸びて柔軟性は上がってもケガの危険性を減らす効果はないが、体操のような“動的ストレッチ”では柔軟性が上がるだけでなく、筋肉の弾力がアップするので筋力もアップする、血流量が増えて肩こりも改善する」といったことのようです。

レーニング指導をする人なら誰でも知っていることですので、今さらといった感じはありますが、ストレッチングは縮んでいる筋肉を元の長さに戻すことが目的ですから、動作に問題があったり、トレーニングや練習をやり過ぎて筋肉に大きなストレスをかけてしまえばケガはしてしまいます。 ストレッチングの問題というよりはトレーニングの内容、やり方・やらせ方の問題のように思います。 番組の中ではスポーツをやっている人に入念にストレッチングをした後のジャンプ力を計測すると数値が下がったということも言っていたようですが、それもトレーニング指導をしている人で知らない人はいないと思います。

スタジオのレッスンや身体を整えるトレーニングでも筋肉を緩めるためにあえて筋肉を使うということをやっていますが、筋肉が硬いといっても状態は様々です。 『スポーツなどで使い過ぎて縮んで硬くなっている筋肉』と『普段使わないために伸びて硬くなっている筋肉』があります。 縮んで硬くなった筋肉は筋肉が緊張してしまっているために引っ張ってもすぐに縮んだ状態に戻ってしまいます。 伸びて硬くなっている筋肉も引っ張れば防御反応を起こして筋肉は縮もうとします。 結局のところ硬くなっている筋肉を引っ張っても硬くなっている筋肉を緩めることはできません。

筋肉は元々収縮‐膨張する機能を持っています。 硬くなった筋肉も体操のように収縮‐膨張を繰り返すことで徐々に元々の膨らみ、長さに戻っていきます。 伸びて硬くなっている筋肉も収縮‐膨張を繰り返すことで自然な筋肉の長さまで戻っていきます。 ですから体操でも筋肉の柔軟性を改善することができるということです。

また、筋肉はポンプの機能も持っています。 収縮‐膨張を繰り返すことで血液やリンパといった体液の循環が起こります。 そうすると筋肉の中の老廃物は排泄され、筋肉に必要な酸素や栄養が血液によって運ばれるので筋肉は膨らみ、血流が良くなるので筋肉の弾力が出てきます。 そうすれば身体が動かしやすくなるので力も発揮しやすくなりますので力強い動作ができるようになるので筋力が上がったような感覚になるということです。

だからといってストレッチングが全く意味がないというわけではありません。 硬くなっている筋肉があればそこを伸ばしておくということであれば意味はあると思います。 短時間のストレッチングであればパフォーマンスに影響しないということもよく知られている事実です。

レーニングでもストレッチングでもいろいろなやり方がありますが、ある見方をすればどれも正当性がありますし、効果的ではないところもあるという2面性を持っています。 筋肉を“伸ばしたい”のか“弾力性を改善したい”のか、それだけでやり方は変わってきますので、それをよく考えることが大切だと思います。

指導している方は一般の方ですが、ほとんどの方は筋肉の柔軟性が低下しているというよりは、日常生活の中で使っていないために筋肉が萎んで硬くなっていたり、血流やリンパといった体液の循環も悪くなっていたり、身体が冷えて“低体温”の人が多いです。 ですからじっとして筋肉を伸ばすことよりも血液やリンパなどの循環を良くするために身体を動かすことで筋肉を良い状態にしていくことの方が大切だと感じますし、実際それで筋肉の柔軟性、スムーズな関節の動き、むくみの改善、自然と姿勢も良くなって立つのが楽になったり、楽々歩くことができるようになっています。

やはり大切なのはエクササイズやストレッチングのやり方ではなく、どうしたいのかという『目的』です。