岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#65 ピッチング、スローイングのためのトレーニングについて学んできました②

昨日は毎月定例の勉強会のために大阪へ行ってきました。

今回のテーマは『投げる:ピッチング、スローイング、投擲など』のトレーニングについての考え方でした。

ピッチングやスローイングはボールを投げるのではない

投手で肩や肘を痛めるケースは多く、硬くなった筋肉を解したり、筋肉を鍛えても投げるとまた痛みが起こるということもありますが、投げる時に痛みが起こるのであれば投げる動作に問題があり、それを改善しなければ根本的な改善をすることはできません。

ピッチングというと『ボールを投げる』というイメージで腕を振っている人は多いですが、そうすると腕に力が入ってしまうので動作がぎこちなくなります。

また、速いボールを投げようと力んで腕を振ると腕を前に放り投げる形になると肩の腱板が強く引っ張られ肩を痛めたり、肘を完全に伸ばしてしまうと上腕と前腕の骨がぶつかってしまいますが、それを何百回と繰り返していれば骨が欠けて肘の痛みを引き起こすこともあります。

投げるという動作で大事なのはボールを投げるのではなく、『下半身で生んだ力をボールに伝える』ということです。

全身を上手く繋げて投げることで腕は体幹の動きについてくるような形になるので肩や肘に負担をかけることなくスムーズに動作できるようになります。

肘は挙げようとしなくても自然に挙げられる

ピッチングで肩や肘を痛めないようにするために、「肘を肩よりも高く挙げる」ということがよく言われます。

簡単なことのようですが、案外きちんとできないのがこの動作です。 テイクバックを直すために、肘を挙げるように指導している人は多いですが、意識的に肘を高く挙げようとしたり、肘を引くようなテイクバックをすると肘を肩よりも高く挙がりません。

その原因はシンプルで肩関節の自然な動きから外れた動きをしているからです。

テイクバックの動きを改善する目的で腕回しをしてみると肩関節の自然な動きから外れた動きをすると肩の筋肉に緊張が起こり、引っかかり感や動きのぎこちなさが見られます。

それを自然な動きに修正すると自然と肘が肩よりも高く挙がります。 リラックスして腕を落とした反動を利用するとどんどん肩や首筋の筋肉の緊張が抜けて動きがスムーズになります。

そこに肩甲骨の誘導や前鋸筋の動きの誘導を加えるとさらに肩甲骨の動きが大きくなり、腕や肩の筋肉の緊張がどんどん緩んでいきました。

ピッチングでは体幹が重要

様々な競技で体幹の強さが重要だと言われますが、投げるという動作、スムーズなピッチング動作をするためにはリラックスしたテイクバック、腕のしなり、適切なフォロースルーだけでなく、体幹の柔軟性と強さが重要です。

体幹の動きがスムーズにできないと力が上手く伝わらないので手投げになってしまいます。 体幹の横捻りと縦捻りは特に重要です。 それをきちんと行うことで素早い腕振り、リリースポイントの安定に繋がります。

投手に必要な投げるスタミナは言い換えると体幹のスタミナです。 百回以上体幹をきちんと捻ることができる腹筋の筋力が求められます。 腹筋というとシットアップやツイスティングシットアップなどをイメージしますが、ピッチングに必要な腹筋の強さは投げることがトレーニングになります。

もちろんただ投げるだけでなく、どのような物を投げるかなどを考えることは重要ですが、シャドーピッチングもやり方、道具を考えると効率の良いトレーニング方法が出てきます。

先生に教えていただいたエクササイズは非常にシンプルなものばかりなのですが、それを思いつく発想の柔軟性が考え方や身体の動き、トレーニングの理解度の差だということを毎回のことながら感じさせられました。

いろんな動作の見方を教わることで競技の見方が変わる

投げるという動作については個人的には野球のピッチングやスローイングが少しわかってきたくらいですが、投げるという動作を行う競技は野球だけでなく、陸上の槍投げ砲丸投げ円盤投げ、ハンマー投げ、バスケットにラグビー、投げるに似た動作ではテニスのサービスの動作など、たくさんの競技があります。

勉強会では他の方の質問で自分が携わったことのない競技の投げるという動作での身体の使い方の違い、ピッチングでも先生が松坂投手や藤浪投手、岩隈投手、ダルビッシュ投手のピッチングフォームについてどのように見ているのかを教えていただけましたが、良い勉強になりました。

クライアントに野球をしている選手や陸上の投擲をやっている選手はいませんが、こういったことを教えていただくことでトレーニングについて尋ねられた時にどうしたら良いのか慌てずにアドバイスできそうですし、他の競技も今までとは見方が広がったような気がします。

競技のトレーニングというテーマだと指導に携わっていないと質問が難しいところはありますが、先生がどのような動きの見方をしているのか、アスリートの動きがどのように見えているのかを聞くということも大変勉強になります。