岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

うつ伏せで腹筋を鍛えても立った姿勢を良くするには全く役に立たない

姿勢を良くするための体幹を強化するためにうつ伏せになって身体を浮かせて肘と脚で支えたり、四つ這いの状態で片手片足を浮かせたり動かしたりするようなエクササイズをしているようなエクササイズをやっている人をよく見かけます。

先日、健康情報番組でもこういったエクササイズで腸腰筋を鍛えて姿勢を良くする、ウエストが細くなるというようなことを言っていましたが、やっている人を見るとバランスを維持するのが大変でフラフラしています。 それを安定させることで筋肉に効いている、体幹が強くなっていると感じているかもしれませんが、それで筋肉が強くなったり大きくなることはほとんどありません。

そもそもうつ伏せになって腰を浮かせたり、片手片足を浮かせるようなアンバランスな姿勢をとれば背筋が優位に働きます。 たとえ手と脚、腕と脚を付けるような動きをしても腸腰筋が少し使われることはありますが、あの番組のようにスローテンポで動かせば主に働くのは腸腰筋ではなく、脊柱起立筋が姿勢を保つためにしっかり使われるというくらいでしょうか。 それで腸腰筋を鍛えて姿勢が良くなったということではないと思います。 あれをやってウエストのたるみがなくなったと言っている方もいましたが、お腹のたるみが取れたというよりも背筋を鍛えたので腰回りのたるみがなくなったということでしょう。

ああいったグラグラするような不安定な状態で行うエクササイズは筋肉を鍛える時の刺激にはなりますが、それでグラグラしなくなったからといって立った姿勢が良くなったりするようなことはありません。 立った姿勢を良くしたり良い姿勢を保持するための筋力を養いたいのであればうつ伏せではなく、立った状態で行うべきだと思います。

クライアントさんから「家でもできる簡単な姿勢保持のためのトレーニングはないですか?」と尋ねられたので良い姿勢で両手に重りでも持って立って姿勢が崩れないようにキープしてみて下さいとアドバイスしました。

後日、実際に試してみたそうですが、「立っているだけでこんなに腹筋を使うんだというのが初めてわかりました。」と仰っていました。

レーニングで姿勢が良くなっていたから腹筋を使う感覚がわかったのだと思いますが、崩れた姿勢で立ったところで長時間やっても腹筋は鍛えられることもありません。 腹背筋は本来良い姿勢を保持するために使われるものです。 強い力で骨を引っ張って矯正したところで元々がアンバランスな状態であればすぐに元の崩れた姿勢に戻ってしまいます。

良い姿勢を作るために強い筋肉は必ずしも必要ではないし、寝た状態で行うエクササイズよりも立って行うエクササイズの方が効率的で効果的なトレーニングになるということです。