岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#67 打つ競技のトレーニングについて学んできました

昨日は定例勉強会に参加するために大阪へ行ってきました。

今回のテーマは『打つ:バッティング、バレーボール、ゴルフなど』ということで打つ競技のためのトレーニングについて学んできました。

トレーナーが教えられること、教えられないこと

最近ではいろんな競技で筋トレが取り入れられるようになってきていますのでゴルフのドライバーの飛距離を伸ばしたいといった依頼も多いですが、筋トレをして筋量を増やしてもバットが速く振れるようになったり、ドライバーの飛距離が伸びるわけではありません。

レーニングで高めた要素を競技に活かすためには競技のための専門的なトレーニングが必要です。

打つという競技についてということで野球のバッティングのためのトレーニングについても考えていきましたが、バッティングならバットを振ること、ゴルフならクラブを振ることが専門的なトレーニングになります。

変化球の打ち方、フックやスライスといったショットの打ち方は“技術”ですからコーチの専門領域ですからトレーニングでできるようにすることはできませんが、タイミング、体重のかけ方、テイクバックといった『身体の使い方』のトレーニングでバットの振り方、クラブの振り方を改善することはできます。

競技で出来ない動きに似たエクササイズができても競技動作が良くなるわけではない

バッティングやゴルフのスイングに共通しているのは『ヘッドを加速させること』です。 しかし、力みがあったり動作がスムーズでないとヘッドを加速させることはできません。

そうなると動きの問題を見つけてそれを改善していかないといけないのですが、トレーニングでやってしまいがちなのが『できていない動きに似たエクササイズをやらせて競技の動作を改善しようとする』ことです。

テイクバックの時に内転筋が使えず膝が割れると内転筋を鍛えて踏ん張れるようにしようとしてみたり、股関節の動きがスムーズにできないとできない動きを取り出してエクササイズとしてやらせてスイング動作を改善しようとするものです。

しかし、トレーニングの原則で考えてみると、“1つのエクササイズの直接効果は1つだけ”ですから、エクササイズで似た動きができるようになったとしても競技の動作ができるわけではありません。

できない動作をできるようにするためにそのようなエクササイズをやらせようと考えた理由を先生に説明してみると自分の指導を客観的に見直すことができ、上手くいかない理由を自分でも理解することができます。 こういったところはセミナーにはない勉強会の良さだと思います。

スイングの動きを修正するためにはなぜバットやクラブを振る時に動きがぎこちなくなってしまうのか、思っているような動きができないのかという真の原因を見つける必要があります。

きちんと立てていなければ振る動作もスムーズには行えない

実際に参加者が指導しているクライアントさんのスイングの動画を見たり、参加者の方のスイングで動きの問題点を見つけて改善方法を考えていきました。

打つという動作だとバットやクラブがボールが当たる主動作がスムーズにできていないわけですが、主動作は最も加速している局面なのでそこで何かを意識させようとしてもなかなか動作は改善しません。

そうなると準備動作か終動作を修正することが効果的な方法になってきます。 例えばゴルフのアドレスをとった時に軸足のつま先が外を向いていたり、体重がつま先にかかってしまうと体重移動がスムーズにできないのでヘッドを加速させることはできません。

バッティングでも同様で、バッターボックスに穴を掘ってそこに足を入れてしまうとつま先体重になってしまうので下半身の力が上手くバットのヘッドに伝わりません。

ですが、そこを直すだけで地面を踏んだ反動などが使えるようになり楽にヘッドを加速させることができるようになります。

また、スイングした後のフォローする―を大きくするなどメインの動きの後の部分を修正することでもスイングをスムーズにすることもできます。

ヘッドを加速させるにはリラックスした動作でやらせる

ヘッドを加速させるためにはリラックスが必要ですが、力が入ってしまっている人に「力を抜いて」と言っても簡単に力が抜けることはありません。

クラブやバットを“振ろう”とする人にはリラックスした方が速く振れるのだということを感じさせると余計な力みを抜くことができます。

先生がどのように指導されるのか見せていただきましたが、細かいアトバイスはほとんどなく、シンプルな言葉、音を使って指導されるのですが、教えられる側の力みはどんどん消えて大きなスイングになっていきます。 スイング音を聞いても力んで振っている時よりもリラックスして振れるようになるとどんどんスイング音が変わっていきました。

必要なのは強い筋力ではなく、柔らかいカラダ

先生の指導を見ていると『強い筋力よりも柔らかいカラダが必要』だということを改めて感じました。

自分が指導しているクライアントさんの多くは筋力がないから高いパフォーマンスが発揮できないというよりも身体や筋肉が硬くて思うような動作ができないためにパフォーマンスが低下してしまっているように感じます。

先生が仰っていましたがゴルフは『感覚のスポーツ』でちょっとした感覚の狂いでショットが乱れてしまいます。 ですから鋼のような筋肉を作るトレーニングよりも姿勢や身体のバランスを整えるトレーニングや柔軟性を改善するトレーニングの方が重要になってきます。

今回は仙腸関節や下半身、体幹や肩甲骨周りを緩めるトレーニングを教わりましたが、ゴルフ愛好家の方だけでなく、肩こりや腰痛で悩んでいる方にも効果的なエクササイズになりそうなので、さっそく試してみたいと思います。