岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

体幹だけでなくふくらはぎも鍛えた方が速く走れるようになる?

青学大と言えば独自の体幹レーニングというのが有名ですが、それだけでなくふくらはぎなど鍛える箇所、その意味を理解して鍛えてきたというのが話題になっています。

体幹やふくらはぎのような細かい部分の筋肉なんて鍛えなくてもいい・・・ということにはならないのでしょうね。 鍛えることが前提の話ですから。 でも、ふくらはぎなんて鍛えても地面を蹴る力が強くなるなんてことはないですよ。 意識して後方に押した時の反力は体重の0.8倍から1倍にしか出せません。 ふくらはぎのような小さな筋肉を使ってしまえばすぐに疲労してしまいます。 硬くなればその硬さが全身に広がりますから待っているのはスピードダウンだけです。

長距離だろうと短距離だろうと速く走るために必要なのはランニングスピードを向上させることです。 距離によって走り方が変わるということはありません。

長距離でも速く走れるようになるにはスプリント的な速さで走ることも大切です。 100mを9秒台で走るような選手は走る時に真下に踏み込む意識で走っています。 垂直方向に踏み込めばその反力は体重の4〜5倍の力が出るようになりますし、股関節と膝が伸ばされるとふくらはぎの筋肉は勝手に収縮します。 普通の人が蹴っているように見えるのは勝手にふくらはぎの筋肉が収縮した結果蹴ったように見えるだけで、選手は意識してそんな動作をしているわけではないということです。 世界のトップレベルの選手のふくらはぎを見ればわかりますが細く小さいです。 ふくらはぎなんて意識して使ってもメリットは少ないということです。

一般のランナーくらいのレベルなら筋肉を鍛える前に太ももの前やふくらはぎにばかり大きなストレスをかける走り方を直す方が短時間で速く走れるようになるでしょう。

速く走れないという人の脚は太ももの前とふくらはぎの筋肉が大きくなっているような筋肉の付き方のバランスが悪い脚がほとんどです。 走る時において太ももの前の筋肉はブレーキ筋です。 太ももの前の筋肉が大きいということは着地の度にブレーキをかけて走っているということです。 ふくらはぎが太い原因は意識的に地面を蹴って使うことです。 つまり、こういったバランスの悪い筋肉の付き方をしている脚の人は筋肉の強い、弱い以前に走り方が悪いからスピードが出ないということです。

速く走るために必要なのは股関節を伸ばす働きを持つ筋肉です。 その働きを持つのがお尻や太ももの裏側です。これらはアクセル筋とも言えます。 世界のトップレベルの選手のお尻と太ももの裏側には筋肉がしっかり付いています。

それもわざわざ鍛える必要もありません。 いくら筋肉を大きくしても走る動作で使えなければ全く役に立ちませんから。 それなら走る動作でお尻や太ももの裏側がしっかり使えるような走り方を身につけて走る練習をすれば筋肉は自然と付いてきます。 その方が競技に使える筋肉ということになるのではないでしょうか。

しっかりとトレーニングする箇所や意味を考えるなら、「それが走る動作において何の役に立つのか」というところから考えてみる方が効果が高いように思います。