筋トレをしているのに全然速く走れるようにならない
箱根駅伝は青学大が完全優勝したので青学大がやっていたトレーニングについての記事がネットにも出ています。 またランニングをする人の中で体幹トレーニングや筋トレが話題になるのでしょう。
筋トレをやるから速くなるなんてことはありません。 筋力や持久力といった車でいえばエンジンや燃料タンクを大きくすることばかり考えますが、いくらエンジンを大きくしても燃費が悪ければすぐにガス欠してしまいます。
ずっと走り続けていると疲労で徐々に苦しくなってスピードが低下していきます。 疲労にもいろいろな要因はありますが、多いのは心臓がきつくなるという体力的な問題よりも筋肉の疲労です。 同じスピードで走っていても時間とともにきつくなるのは、筋肉が疲れてきて出力が低下してくるので、同じスピードを保つにはよりたくさんの筋肉が働くことが必要になってくるからです。
たしかに筋力アップはパフォーマンスアップのために1つの要素ではありますが、筋肉ばかり強くなってもそれで身体作りができたとは言えません。 筋トレだけやっておけばパフォーマンスがアップすると思ってしまうと失敗に繋がってしまいます。
エンジンが大きくなったのなら、その力を余すことなく十分に使える仕組みや技術も同じように上げていくこともスポーツパフォーマンスをアップさせるために身体作りには必要です。
それが『走る動作の見直し』です。 筋肉が疲労してくると出力が低下して同じスピードを維持できないのであれば、筋肉の疲労を少なくして走れるようになれば良いのではないでしょうか。
1つはランニングのフォームの見直し。 筋力に頼らず、重心の移動を利用して進む、こういったフォームを身につければ筋肉の疲労を軽減することができます。 一般のランナーであればこれだけで変わるでしょう。
もう1つはランニングスピードの向上。 ある程度高いレベルになってくるとこういった部分を考えることも必要です。 駅伝のような長距離というとペース走のイメージですが、ランニングスピードが速い人と遅い人では同じペースで走ってもそのきつさは違います。 きつくなれば筋疲労が起こってスピードが低下しますから、最後まで競り合うことはできません。 しかし、ランニングスピードが速ければ余裕を持ってそのペースで走ることができますから筋疲労は少なくて済みます。
エンジンばかり大きくすることを考えても自分の走りに問題があればパフォーマンスは上がりません。 筋トレをしても競技パフォーマンスに上手く繋がらないと「筋トレをしても競技には使えない」とよく言いますが、自分の現状がちゃんと把握できていないのに筋トレに頼ってしまった時点で結果は決まっているということです。
もっといえば体幹とか細かい部分のトレーニングをやる前にもっと全身をバランス良くトレーニングすることの方が必要ではないですかね。 太ももの前やふくらはぎの太いのにお尻や太ももの裏側の筋肉がない選手が多すぎます。