岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

速く走るにはピッチとストライドのどっちが大切?

速く走るための方法としては、 ・脚を速く回転させる ・一歩のストライドをできるだけ大きくする ということが考えられます。 つまり“できるだけ脚の回転は速くしてストライドもできるだけ広く”ということになります。

先日東京へ行くことがあり皇居へ行ってきました。 皇居の周りを大勢の人が走っていましたがほとんどの人がピッチ走法で走っていました。 小さな歩幅で競歩のようなバタバタした走りでした。

ピッチ走法をする人の多くが脚の負担を少なくして筋肉の疲労を軽くするのが狙いですが、脚を速く回転させても歩幅が小さくてはただバタバタ走っているだけでスピード感はありませんし歩数が多くなってしまいます。 筋肉は意識的に使うと動かすために余計なエネルギーを使ってしまい最終的にエネルギーが切れて筋肉が動かせなくなってしまいます。 疲労を抑えるためにやっているのに結局疲労で脚が止まってしまうということになってしまいます。 そもそもトップレベルのランナーでもピッチは1秒間に3.3〜3.4歩のリズムです。 市民ランナーだと1秒間に3歩程度です。 ピッチの速さはトップレベルの選手とそれほど大きな違いはありませんが、動かし方、脚の使い方に大きな違いがあります。

市民ランナーの多くは脚を前に出して走ります。 その時に使われるのが太ももの前の筋肉です。 意識的に脚を前に出して走る走り方も脚の筋肉を動かすエネルギーの無駄遣いになってしまいます。 一方、トップレベルのランナーは脚を意識的に前に出すのではなく、股関節を伸ばす、膝を後ろに持っていった反動で前に戻しています。 トップレベルのランナーの体型を見てみるとお尻の筋肉が発達しています。 お尻の筋肉は股関節を伸ばす動きで使われます。 そして股関節が伸ばされると体と脚を繋いでいる腸腰筋が伸ばされます。 筋肉は伸ばされると反射的に縮もうとする伸張反射が起こります。 反射は意識して動かすよりも筋肉の収縮スピードは速くなります。 腸腰筋で伸張反射が起こると膝が前に持っていかれる動きをします。 意識的に脚を前に出さなくても伸張反射を利用すれば自然と脚は前に戻ってくるのです。 意識的に脚を前に持ってくる動作をしないのでエネルギーも無駄遣いすることがなくなります。

そしてトップレベルのランナーと市民ランナーで最も大きく違うのがストライドの大きさです。 ストライドというと多くの人は脚の前後の開脚の大きさと勘違いしていますが、ストライドは体(重心)の移動距離です。 一歩でどれくらい体が移動するかです。 脚を前後に開脚したところで体はほとんど前に移動しません。

ラソンは跳び続ける、弾み続ける種目です。 つまり“弾み”が重要です。 トップレベルのランナーの走りを見ていると弾み感がありますが、ピッチ走法をしている市民ランナーを見ても弾み感がありません。

弾みがうまく利用できるようになれば自然とストライドは広がります。 歩数も少なくなるので脚の疲労も少なくなります。 基本的に弾みは自然に生まれるものなので意識的にやる必要はありませんが、そのためには適切な接地の感覚を掴むトレーニングなどが必要です。

実際にトレーニングを見ている市民ランナーでもこういった体の使い方を見直すことでストライドも広がり、疲労も少なく走れるようになりスピードアップ、タイム短縮の効果も出ています。

なかなかタイムが縮まないという方は自分のピッチとストライドを見直してみる必要があるでしょう。