岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

見た目だけじゃないスポーツで使える体幹を作るためのトレーニングは?

スポーツ選手が体幹レーニングをやっている影響でジムでもスポーツをやっている人からこういう質問がよく来ます。

そもそもボディビルの目的は1つ1つの筋肉を明確に見せること、自分の思うような筋肉の形に作っていくために努力しているものです。 それがスポーツの動作に使えないと言われてもスポーツパフォーマンスを高めるための筋力づくりとは違います。

また、体幹を強化するだけで速いボールが投げられたり、ボールを遠くまで飛ばせるようになる、速く走れるようになるなら誰も練習なんてしないでしょう。

体幹もあくまで体の一部に過ぎません。 体幹だけで何かの動作をするということはほとんどなく、ほとんどの動作の主役は「手脚」です。 体幹という体の一部の筋肉を鍛えて強くしても実際にやっているスポーツの動作、体の動かし方に問題があれば高いパフォーマンスは発揮できません。

現在、トレーニング指導の依頼が多いのがゴルフです。 「飛距離が出ないのは体幹の筋力不足」、「コーチからスイングパワーをアップするために体幹を鍛えて筋力アップするように言われた」というのが多いですが、実際のスイングを見せてもらうと体幹が弱いからというよりも「スイング動作のやり方」に問題があります。

一般の人は筋力という要素に目が行き、力があればスイングのパワーが上がると思っています。 だから手打ちになっていて全身をうまく使えていない、下半身で生んだ力をうまくクラブのヘッドに伝えられていません。 力に頼って振る人に多いのが手打ちのスイングですが、こういうスイングは速く振っているつもりでも筋肉が緊張のするとブレーキがかかるので加速するどころか減速してしまい、思っているほどヘッドスピードは出ません。 かといって、力を抜いても力が入らないことが怖いので余計な力を抜くことができず、さらに筋力を高めることに一生懸命になります。 ですが、ゴルフのスイングパワーで重要なのは「スピード」、クラブのヘッドをどれだけ加速させることができるかです。

そこで重要になってくるのが「柔軟性」、「体の使い方」です。 棒とムチではどちらが大きな力が出るか考えてみればムチのようにしなりのある体の方が楽に大きな力が出せることは容易にわかります。 また、スピードで考えてみてもスピードは一気に上がることはなく、加速的に上がっていきます。 ボールまでの距離が長いほどスピードが上がりやすくなります。 そういうことから考えてみても筋力よりも「柔軟性」、「体の使い方」という要素のレベルを高める方がスイングに必要なパワーを効率良く高めることができます。

最近はランニングについての体幹レーニングについての質問もよく来ます。 速い選手が体幹レーニングをしていたという話を本で読んだりどこかで聞いたりしたからというのが多いですが、体幹を強化していても例えば腕振りが悪ければ体はブレてしまいます。

体幹が強くなればランニングフォームが良くなる、ランニング姿勢が良くなると思われがちですが、良いランニングフォームで走っている人のランニング姿勢が綺麗なのです。 つまり体幹の筋力の強い、弱いではなく「ランニングフォーム」の問題です。

長距離なんて全く走ったことがない人に走り方を教えることもありますが、一般的に行われているようなうつ伏せや横向きでじっとしているような体幹レーニングなんてしていなくても適切なランニングフォームを教えてあげればブレることなく良いランニング姿勢で走れます。 適切なフォームで走れば太ももの前やふくらはぎがパンパンに張って疲れるどころか脚が真っ直ぐになって立ち姿勢が良くなったり、お尻の筋肉が使われてスタイルが良くなっています。

そうすると「筋トレは意味がないんですか?」というような質問をしてくる人もいますが、高いパフォーマンスを発揮するために必要なのは「身体的コンディションを高いレベルで揃えること」です。 筋力のレベルばかり一生懸命高めても柔軟性やスピード、持久力、調整力といった他の要素のレベルが低ければそれのせいで高いパフォーマンスを発揮することができません。 だからレベルの低いもの、伸びしろがたくさんある能力のトレーニングを優先的に行う方が効率が良いというだけの話です。

高いパフォーマンスを発揮したければ現状よりも基礎体力(筋力、柔軟性、持久力、スピード、調整力)のレベルを高くする方が良いに決まっていますからトレーニングをする方がもちろん良いです。 ただし、トレーニング=筋トレではないですよ、他の身体的な要素も満遍なくレベルアップしましょう、そして高まった基礎体力をうまく使いこなすための技術を高めること、つまり「練習」も並行してやりましょうということです。

体幹レーニングをやることが目的になってしまっていてはいつまで経っても「こうなりたい」、「こういうことができるようになりたい」という本当の目的は達成することはできませんよ。