岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

高いパフォーマンスが発揮できないのは筋力が弱いからなのか?

速く走れるようになりたい、速いボールが投げられるようになりたい、ボールを遠くまで飛ばせるようになりたいなどスポーツのパフォーマンスアップについての相談、特にもっと筋肉を付けて体を大きくするにはどうしたらいいのか?どんな筋トレをやればいいのか?などトレーニングに関してのものが多く寄せられます。

どんな筋トレをしたらいいのかということを考える前に高いパフォーマンスが発揮できないのが本当に筋力の問題なのか考える必要があると思います。

高いパフォーマンスを発揮するために必要なものを考えてみると、 ・体の使い方(走り方、投げ方、打ち方)に問題がない ・速筋線維が多い ・力がある ということで挙げられます。

パフォーマンスのレベルが低いのはこれらの条件のうち、どれかが十分に満たされていないからということになります。 相談に来るケースのほとんどは実際の動作の問題、体の使い方に問題が見られます。 一生懸命地面を蹴って走る、腕に力を入れて速いボールを投げようとする、一生懸命力を入れてバットやクラブを振っています。

体の使い方、動作に問題があるのに筋力を高めてもパフォーマンスが上がることはほとんどないでしょう。 筋力を高めるためのエクササイズとして一般的には高重量のベンチプレスやスクワットをする・させるケースが考えられますが、ベンチプレスやスクワットで高重量を挙げられるようになってもそれはベンチプレス、スクワットの力が高まるだけです。 実際の競技動作のパフォーマンスが上がるような直接効果はありません。(特異性の原則)

アスリートがトレーニングをやっているから同じようにトレーニングを行うことを考える人も多いですが、高いパフォーマンスを発揮するトップアスリートはそもそも速く走れる、速いボールが投げられる、遠くへボールを飛ばせるなどが技術のレベルが高いです。 上手い人が筋トレをして力が強くなるからさらに高いパフォーマンスが発揮できるということです。

体の使い方、動作に問題がある人はまず走る、投げる、打つ動作の体の使い方のトレーニングで体の使い方を改善する必要があります。 一般の方の場合は体の使い方の修正をするだけでもパフォーマンス向上の効果は見られます。

体の使い方に問題はないが力が弱いという人が基礎体力レベルを高めるためにウェイトトレーニングを取り入れるというのは問題ないと思います。 ただし注意しないといけないのは実際の競技の動作に似たような動きに負荷をかけてエクササイズを行う必要はないということです。 動きは似ていても力を発揮する方向やタイミング、動作のスピードが違えばそれは全く違うものになってしまいます。

ウェイトトレーニングは体のベース、基礎を作るためのものです。 実際の競技動作に必要な専門的な力を高めたいのであればそれは実際の動作でやればいいことであってウェイトトレーニングでやる必要はありません。 野球をやっている高校生のトレーニングを見ていますが、トレーニングでやっているのはベンチプレス、スクワット、デッドリフトくらいです。 投げる、打つにしても全身を使って行うのでトレーニングの中でも全身をきちんと繋げてできるようにしたいという狙いからです。

速筋線維の多い、少ないは生まれ持った素質という面が大きく、トレーニングで遅筋線維を速筋線維に変えることはできません。 ですからそこはトレーニングではどうにもできません。 トレーニング指導では素質以外の面でできることをやっていくということになります。 素質の面で十分でなくてもトレーニングをすることでそれなりのパフォーマンスは発揮できるようになります。

パフォーマンスをアップさせたいというのであればまずは自分にはどういった条件が足りていないのかを考えてみる必要があるのではないでしょうか。