岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#171 歩き方について学んできました

今回の定例勉強会のテーマは「歩きを見直し、姿勢を整える」でした。

脚の筋肉が弱った方のトレーニングの考え方

病気のため入院し、脚の筋肉が減ってしまい自分の脚で歩けない状態の方が歩けるようになるためにどのようにトレーニングの進め方についてアドバイスをお願いしました。

歩くためにはまず二本脚で立つことだと考え、立たせてみたものの中間位の姿勢がとれず崩れてしまっていました。
こういった時にいきなり立たせてもうまくいかず、四つ這いやイスに座って本人にとって楽に姿勢を保持できる体勢からスタートして立たせていくように進めていくように考えた方が好ましい。

座ったところで体を動かすということをしなかったのは座った状態では下半身の筋肉、全身の筋肉を使うような運動はない、できないと考えてしまい、どのようにやるかという発想がなかったからでした。

しかし、踵の下に楔を入れて踵を上げて体幹を中間位の姿勢を保持してベントオーバーし、そこから母趾、母趾球で地面を押して戻るという動作をしてみると腹筋や腰、臀筋といった体幹、下半身の筋肉が使われます。
呼吸に合わせて1分程度動きを止めずにやると全身に疲労感がありました。
きつくないのに全身を使うことができるのでいつでも何度もできます。
それを日々積み重ねていけば量はかなりのものになります。
一般の方や体力が低下している方にはこんなものでこんなにも成果を感じられるのかというものを考えることの重要性を改めて感じました。

イスに座ってのベントオーバーを立ち上がりに繋げていくことで徐々に何かに掴まったりすることなく自分の脚できちんと立てるようになれそうなイメージができました。

スムーズな腕振りで歩けるようにするために

動きが硬く、もっと楽に走れそうなのに思うような結果が見られないランナーに対しての歩き方、走り方の修正についてもアドバイスをお願いしました。

最近は特に腕振りにポイントを置いて指導していますが、リラックスしてスムーズな腕振りができるように指導することがなかなか難しい。

原因は腕が中間位にぶら下がっていないことでした。
いくら腕の振り方をいろいろ説明しても腕の位置が緊張する位置にあるとスムーズに前に振ることはできず、動きがオーバーになりすぎてしまいます。
それによって脚の動きもぎこちなくなり流れるように体が進んでいくような雰囲気がありませんでした。

それを改善するには腕を中間位に戻すことです。
そこで肩を軽く挙上して呼吸をしたり、肩関節の外転、外転・挙上といった動きを呼吸に合わせて行うと腕が中間位に戻り、腕だけでなく首や肩、背中、腰の筋肉の緊張が緩みました。
腕が中間位に戻ると腕も楽に振ることができますし、動きを細かく教えなくてもスムーズな腕振りになりました。
それだけでなく脚の動きとのバランスも良くなりリラックスして流れるように体が進んでいくような歩きになりました。

左右のバランスを整えるには片側ずつ行い、相手に変化を感じさせることが重要、また10回で何セットも行うことでトレーニングにもなります。
実際肩の筋肉の膨らみも見られました。

動きの不安定さを改善するための考え方

股関節の隙間が狭く、脚長差があったりO脚のような捻じれがあるために歩くと左右にふらついて不安定になってしまうケースの改善のための考え方についてもアドバイスをお願いしました。

O脚を直すには骨盤に脚を軽く内旋した状態でバンドを巻いてベントオーバーを繰り返すことで骨盤が整い、脚も綺麗に伸ばせるようになりました。

新しいアプローチとして神経や脳にアクセスして動きの不安定さを改善するといったことを教わりましたが、股関節の引っかかり感が解消されたり筋肉の緊張が緩んだり、動きも良くなるといった変化が見られました。

中間姿勢でのしゃがむ・立ち上がる

中間姿勢でのしゃがむ・立ち上がるはバランスよく立つために指導の中で必ず入れていますが、スムーズにできるように指導するのが難しい。

特に股関節を曲げるというところがうまくできないことが多いのですが、骨盤を前傾させる(滑らせる)というイメージを入れてみるとスムーズな動きを誘導しやすくなりました。
股関節だけでなく、足首や膝も曲げるという動きを滑らせるとイメージするとスムーズに動けるように感じた。
身体調整としてモビリゼーションは学んでいたものの、体を動かすというケースではそれができていない、応用できていないということを痛感しました。

軽い沈み込みから徐々に深くしていく時の誘導やサポート、動きの見方、見え方などいろいろ気づくことがありましたので日頃の指導に生かしていきたい。

誰もが当たり前のようにやっている歩くという動作ですが、1つ1つ細かく見ているとまだまだできているつもりのことが多いことに気づかされました。