岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#181 楽に長く走るための指導法について学んできました

今月のテーマは「楽に長く走るための指導法」
モデルの方に先生が実際に指導する様子から学ばせていただきました。

・自分の体の状態を理解すると解決策が出てくる

まずは気になること、走りの課題、身体の痛みなどについて聞き出し、体の状態のチェックからスタート。
ハムストリングス、膝の内側、足首などそれぞれに痛みや気になるところがあるようでした。

左右の肩や腕の位置、骨盤の向き、脚の捻じれ、首や背中、太ももや脛の筋肉の左右で緊張度の違いなど自分の体の捻じれや歪み、傾き、どこが硬いのかを相手に認識させることでなぜそこに痛みが出るのか原因を推測していきます。
走る時の腕の振りや接地の仕方、脚の動かし方といった走り方だけでなく走ること以外での日常での生活行動が全身の捻じれなどの崩れを引き起こしている可能性や硬い脚で走ることでそっちではない方に痛みが出ているなどの可能性が考えられました。
どちらにしても痛い部分が痛みの原因ではない。

脚の形や足の状態でどのように走っているかがわかるのでいつも足趾や足部をよく動く状態を維持するようにケアをしておくことは大切。

・中間姿勢がとれていれば全ての動きはやりやすくなる

下肢の緊張を緩める一番簡単なのが足趾を伸ばすということでまずは足趾にアプローチ。
足趾を伸ばし、伸びた状態で曲げ伸ばしをすると太ももやふくらはぎ、脛の緊張が緩みました。
腰からの神経は全て足趾に来ているので足趾が柔らかくなると腰も緩みました。
ドロップボードで足部の骨を刺激することで足部も柔らかく動くようになると筋肉はさらに柔らかくなりました。
アプローチをして変化したことを相手に認識させながら進めていくことがポイント。

下肢が整うと体幹の崩れも直り、腕もリラックスしてぶら下がった状態になり立ち姿勢が変わりました。

そこから脱力してしゃがみ、反動で立ち上がる動作をやったり腕振りや歩き出しの動きをやっていきましたが、細かな指示をしなくても全ての動きがスムーズにできているように感じました。
中間姿勢がとれると動きがやりやすくなる。

・弾みは自然に生じるもの

スムーズな走り方ができると弾み感が見られます。
一方で動きが硬い、ぎこちないといった走り方ではバタバタした感じで弾み感が見られません。

以前はフラットに接地し、踏み込んだ反動で弾む動きをイメージしていましたが、垂直方向へ踏み込むと上方へ弾むようになりますが、それでは重心は前に進まない。
スムーズに走るための弾みは踏み込んだ反動で弾むのではなく、股関節の伸展で母趾、母趾球で地面を後方に押した結果として自然に生じるもの。
その時に股関節の伸展を意識するのではなく、「前に進もう」という意識によって股関節の伸展がされる。

ストライドは意識して大きくしようとしなくても重心が前に進んでいればストライドが出る。

・気になるところを直すには

ランニング、スプリントについては何度も学んできて動きのイメージはできてきているので走っているところを見てどういったところに問題があるかということは見えるようにはなりましたが、その気になるところを直すのはなかなか難しく、うまくいかないこともあります。
特に気になるところを直そうとしてもうまくいかないことが多い。 

先生が指導しているところを見ているとアプローチの引き出しの多さに驚かされます。

接地の踏み込みの意識が強すぎて体の後方で膝の力が抜けないケースではスタートから2、3歩だけ前に進んでいく感覚を繰り返して体が前に進んでいく感覚を掴ませたり、腕振りを意識させるといったアドバイスで徐々に膝の硬さがなくなり脚がスムーズに回転して動くようになりました。

脚を速く動かすのが速いピッチを維持するという意識になっているケースでは速く動かそうとして脚の動きを途中で端折ってしまっていたので、脚を急いで前に出すのではなく、踵でお尻を叩くイメージでやらせることで脚がスムーズに動くようになりストライドも広がって流れるような動きに変わりました。

横に腕を振ってしまうケースでは目線を使うことで左右の腕をバランス良く前方へ振れるようになりました。

どれも自分の中にはないアドバイスのやり方でしたが、話を聞くだけでは知ることができない実際に指導する様子を見ることでしか学べないものでした。

身体の不調を改善するうえでの中間姿勢をとれるようにすることは日頃の指導の中でも重要視していましたが、ランニング、スプリントといった動きを良くするうえでも中間姿勢をとらせることの重要性が今回の一番大きな気づきでした。