岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

腹筋が何百回できても姿勢は良くならない

いろいろやっているのに姿勢が良くならない、良くなっても維持できないので腹筋を鍛えた方がいいのか?という相談がよく来ます。

どんな腹筋運動を考えているか尋ねてみると、大抵がシットアップ(仰向けに寝て上体起こす)やクランチ(うつ伏せで肘から手、左右のつま先の四点で支えた状態をキープする)運動です。

テレビや本の影響で姿勢が悪いのは腹筋が弱いと勘違いしている人は多いですが、シットアップが何百回できても脊柱がきちんと立つことはありません。

一般的には「強い腹筋があれば脊柱を真っ直ぐに維持できる」と考えて腹筋を鍛えるエクササイズをしようとしますが、うつ伏せや仰向けに寝た状態でいくらトレーニングをしても、結局ヒトはほとんどの時間を立ったり、歩いたり、階段を昇り降りしたりすることになります。
なので寝た状態で鍛えた腹筋が役に立つことはほとんどありません。
立って何かをすることが立った姿勢を保持するための腹筋のトレーニングになります。

筋力が弱い、衰えていると言いますが、姿勢が崩れているのは筋肉が緊張していることで脊柱を支える筋肉がきちんと機能しなくなりバランスが崩れてしまっているからです。
脊柱の周りの筋肉がきちんと機能すれば真っ直ぐ(自然なS字カーブ)な状態が保持されるはずです。
そして重力をきちんと受けて立つことで姿勢を保持するために必要な筋肉は維持できるはずです。

猫背で悩む人のケースでは全身の筋肉の緊張をゆるめるために「さする」ことをやりました。
腕が捻じれると体幹の筋肉も緊張しバランスが崩れて捻じれや傾き、歪みが起こります。
そうすると首が倒れたり頭の位置もズレてしまいます。
捻じれた体幹を支えるとなると脚にも捻じれが起きてしまいます。
だから全身の筋肉の緊張をゆるめてバランスを取るのです。
それで姿勢の崩れは直りました。

二本脚で立つバランスを良くするために行う運動は「しゃがむ・立ち上がる」です。
大きな負荷をかけて頑張ってやる必要はありません。
楽にしゃがむ、立ち上がることができるようになれば十分です。
そうすると二本脚で立った時のバランスが良くなり、どこかを緊張させることなく楽に立てるようになります。
あとはいつもそのバランスを維持することです。
そのためには頻繁に立ち上がることをする必要があります。
腹筋運動やスクワットが何十回、何百回することではありません。

現代は特に座りっぱなしでいる時間が長くなりがちです。
それによって脚の筋肉が萎んでしまうのです。
だから強化ではなく、頻繁に動かすことが必要なのです。

歩くとしても楽に歩けばいいだけです。
1万歩も歩く必要はありません。
悪い歩き方をすれば膝などを痛めるだけです。
問題なく歩ければ日常生活を送るのに何の問題もないはずです。

体のどこかが緊張してバランスが崩れたらさすって筋肉の緊張をゆるめたらいいだけです。
維持するのも難しいことをやる必要はありません。
毎日を健康で元気に過ごすために必要なのは強い筋肉ではなく、問題なく機能が働くように維持することです。