岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

意識することが多すぎると動きはぎこちなくなってしまう

レーニング指導のなかでスクワットがうまくできない、しゃがむことが難しいというケースがあります。

最近は日常生活でもイスに座ることが多いために深くしゃがむことが難しいということもあるでしょうが、イスの高さまではお尻を沈める、立ち上がるということはできるわけですから一般的に言われるような足首が硬い、どこかの筋肉が弱い・使えていないなどが原因とは必ずしも言えません。

うまくできない、しゃがむのが難しいのは“うまくできないようにやっている”、“しゃがみにくいようにやっている”からです。 その原因としていろいろ意識し過ぎている、意識し過ぎるように指導しているというのがあると思います。

本やネットに書かれているスクワットの正しいやり方に多いのが、 ・肩幅に足を広げ足先はやや外側に向けておく ・背筋をしっかりと伸ばす ・息を吸いながら下げていく ・膝がつま先よりも前に出さないようお尻を後ろに下げるようにしゃがむ ・少しずつ上半身を前に倒していく ・背中が丸まらないよう注意する ・地面と太ももが平行になるまで下げたら、少しの間キープ ・その後ゆっくりと元に戻していく ・息を吐きながら膝を伸ばしきらない位置まで戻る といったようにいろいろなところに注意してやらないといけないものです。 細かいところまで説明した方が丁寧な指導のように思いますが、ヒトは1度に1つしか意識できません。 これだけのことを意識すると当然動きはぎこちなくなりスムーズに動くことはできません。

スクワットは“しゃがんで立ち上がる”動きです。 しゃがむ手順、立ち上がる手順を適切に行えばそれほど難しい動作ではありません。

問題はその手順です。 しゃがむのが難しいというのは下半身の連動がきちんと行われていないからです。 しゃがむ時の適切な手順は「足首→膝→股関節」の順に曲げていくことです。 膝をつま先より前に出さないようにすれば足首が固定されます。 すると膝も固定されてしまうので股関節を動かすしかなくなりお尻を後ろに突き出すように沈んでいきます。 後ろに重みがかかっていくのでバランスを取るために体を前に倒すようになります。 こういったしゃがみ方は太ももの前やふくらはぎ、すねに緊張が起こりますが、背中が丸くならないように伸ばそうとすると腰にも緊張が起きてしまい、しゃがめない、しゃがむのが難しくなってしまいます。

ところが足首からゆるめてみると膝、股関節も自動的に曲がっていきます。 地球の重力を利用すればお尻は自然と下へ沈んでいきます。 たったこれだけのことでしゃがむ動作がスムーズになります。

立ち上がる時は逆の手順、「股関節→膝→足首」の順になりますが、“戻る”の一言では説明不足です。 うまくできない人の多くは立ち上がる時に膝を伸ばして脚を伸ばそうとしますが、膝から伸ばしてもきちんと立つことはできません。 脚を真っ直ぐ伸ばして立つには股関節を伸ばす必要があります。 立ち上がる時にお尻を上げる意識や頭を天井方向に上げるような意識でやってみると自然と脚が伸びます。

基本的には手順通りにやればうまくいきますが、後は相手に合わせてスタートポジション、誘導を工夫すればいろいろ意識しなくても簡単にしゃがんで立ち上がれるようになります。 立った状態、関節を伸ばした状態から曲げていくというのはかなり難しい場合はイスに座った状態から立ち上がる動作をやらせたり、上半身と下半身の動きのイメージが理解できていなければ上半身と下半身の動きのリズムを掴むところからスタートしてみたり、相手の手を取ってこちらで誘導してあげたり、できない原因を考えてうまくできるように教えていけばスムーズにしゃがんで立ち上がれるようになります。

いろいろ意識し過ぎることは動作においてはあまり良いことはないということです。