岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#166 スピード-筋力の高め方について学んできました

今回の定例勉強会のテーマは「スピード-筋力の高め方とその指導」

・スピード-筋力

パワーという言葉を目にしたり耳にすることがあるが、このパワーは力学的な専門用語なので普通の運動には使えない。
パワー=筋力×スピードで表され、パワーの能力は最大筋力の3分の1の力加減でどれだけのスピードで動かすかなのだが筋力が3分の1と決まっていてスピードしか変えられないということはない。
現場での運動では筋力、スピードどちらも変わってくるのでスポーツパフォーマンスには生かせない。
そういったことからパワーではなくスピード-筋力という表現の方が適当なのでは。(ロシアではパワーという概念がないからスピード-筋力という表現が使われる)

一般的なパワーのトレーニングと呼ばれるものは力学的なパワーのトレーニングのことなのでそれで出た数値は実際のスポーツパフォーマンスでは使えない。
ある動きをして数値が上がったとしてもその動きが変化しただけ、走るなど実際の動作に役立つかわからない。
パワーという筋力は一定ではない。(自由性を持たせないといけない)

ロシアには筋力という言葉も使わず力という表現をする。
跳ぶ筋力、押す筋力、走る筋力など全てを同じにすると重いものを扱えて数値が大きいものがベストになってしまうし、下肢の筋力アップというと全てで筋トレ、スクワットとなってしまうと訳がわからなくなってしまう。
それを跳ぶ力、押す力、走る力と考えるとやる事は筋トレの他にもいろいろ出てくる。

・トレーニングはあくまで補助

普通のウェイトやマシンをやることが筋トレではない。
スピード・筋力は普通のウェイトトレーニングで高めるものではない。
レーニングはあくまで補助の筋力を高めるもの。
実際の動作のある局面で役に立ったということでメインではない。
レーニングをサブ扱いで考え、実際の動作のパフォーマンスにおけるスピード-筋力を高める動き、トレーニングをしたらもっと上がるのでは。

・テクニック、動作に問題はないか

速いスピードで大きな力を発揮するためには力も必要だが、テクニック、動作に問題があると速いスピードで大きな力は発揮できない。
動きがわかって走るなどしたりトレーニングしないと繋がりが間違ってしまう。

・切り返し、反動

体作りのためのトレーニングでもスポーツをしている場合でもスピードを生かしながらやること、速く動けることがメインになる。
切り返し、反動を使うことも有効になってくるが、切り返しや反動を使った動作がうまくできず力んでしまうことがよくある。
力んでしまう原因はタイミングがうまく掴めていないから。
一般の人はタイミングがわからない。

タイミングをうまく掴ませるには指導する側の手にかかっている。
なぜ素早く切り返せないかを考える。
修正のアドバイスがないのに「速く」、「ゆっくり」と言ってもうまくいかない。

伸張反射を感じさせることもタイミングを掴ませるには有効になる。
どのタイミングで切り返すか、至適伸張速度を使う、声かけで筋肉を興奮させるなどのやり方がある。
声かけは特に大事。
カウントの仕方がパフォーマンスの邪魔をしていることもある。カウントの取り方でレベルがわかる。

・トレーニングの条件設定

スピード-筋力を高めるにもトレーニングの条件設定は重要。
筋肉が良い状態でないとスピードは出ない。
ヘトヘトになったり筋肉がパンパンに張るまで休みなくやり続けたり休み過ぎる必要もない。
ある重さを良いスピードで動かせるのかが何回、何秒なのかということで、先に繰り返し回数や秒数を決めてやるものではない。
それは相手にまず最初にやってもらってどれくらいできるかを見てから決める。

速いスピードの動きはたくさんやることはできないので使えるのがセットの考え方。
例えばバットを1000回振るなら100回×10セットするか10回×100セットにするか。

・刺激の変え方

手に持つ(両手、片手、片手ずつ)、手脚に付ける、身につける、腰に巻く、担ぐなどいろいろあります。
やりたい動きに合わせて動きやすさ、やりやすさなど考えて方法を変えればいい。
素振りをするなら重さや長さを変える、左右で行う、シャドーピッチングならタオルの長さ、重さを変える、手の位置を変える、スタンスの幅を変える、左右で行うなどやり方はたくさんある。

・スプリントのシーズンオフのトレーニン

走る練習をたくさんしているのに速くならない、むしろ遅くなってしまったということがあるが、それは目標が明確に決まっていないまま練習しているから。
目指すタイムが決まればそのための目的がはっきりすれば何を高めないといけないのか(コンディショニング)が出てくる。
身体的な能力を高めるにしても現状のレベルが把握できていないと決めようがない。
必ずコントロールテストを実施する。
指標がないと何のためにやっているのか、なぜ落ちてしまったのか、どうすれば上がるのかがわかる。
オフはベースを高める。

・走るという動きを理解する

ランニングスピードはピッチ×ストライドなのでトレーニングだけはダメ。
ピッチもストライドもテクニックに問題があれば数値は低くなる。
走っているのに伸びないという時はテクニックにも問題がある。
走るという動きを理解する。
速く走るために股関節に過度の柔軟性はいらない。普通に動けばいい。
大きな反力を貰おうと腿を高く上げて踏み込んでも時間がかかりピッチは落ちる。
踏み込むだけでは前には進まない。
前に進むためには軸足の股関節伸展動作による出力が必要。
手脚の動きは交差ではなく半身で考える。

・年齢が高い人への指導

リラックスができない、わからないので力任せに動かしてしまいケガに繋がることがある。
リラックスしてと言っても難しい。そんな時はリラックスという言葉を変える。
足首を底屈状態、脚の力が抜ける位置にしてしゃがむ-立つの運動で四頭筋、ハムストリングスが張らないことを認識させるだけでもいい。
足首90°屈曲状態だと脚は曲がり力が入ってしまう。
走る以外でリラックスの感覚がわかれば走りも変わる。
年齢に関係なく脚の動かし方を忘れてしまっている人が多い。脳の再教育が必要。
棒を曲げ伸ばししたりそのまま動かすのではなく足首、膝、股関節の連動、ムチのように動かす感覚を教えてあげる。