岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

#169 巷のエクササイズの問題点と改善について学んできました

定例勉強会の今月のテーマは「巷のエクササイズを考察−問題点とその改善」

・走る動作

走る動作では体の前での脚の動きが大きく見えるが、それは股関節の伸展の可動域より屈曲の可動域の方が大きいため。
股関節の屈曲では体は前に進めない。
体を前に運ぶには脚は後方へ押さないといけないという走る動きのベースを理解した上でトレーニングを考える。
速く走れる選手の体幹や臀筋が発達しているからといってその場で単純に体幹や臀筋を鍛えるエクササイズをしても前に進んでいくためのことをしていていなければ脚が速く動いたり出力が高くなることはない。
出力を高めることがトレーニングの目的なら出力が高まる要素をトレーニングの中に含めておかないといけない。

トップアスリートほど左右のストライドの違いといった細かなことがパフォーマンスへの影響は大きい。
余計なことをするよりも体のバランスをとる方が有意義になるはずなのに変にいじることで崩れてしまうことを危惧して手をつけないでおくことがある。
アスリートはもっと良い記録を出したい、高いところを目指している。
指導する側は欠点、問題を明確にして何を一番最初にやるべきかを考えることが最も重要。

女子のスプリンターに腕振りが悪いことが多い。
腕振りの問題を筋力不足と結びつけて強化という手段で解決しようとするが、筋力を高めても腕振りは直らない。
適切な腕の振り方を教えて強化することとは全く違う。
走る時の腕と脚を対角線で考えがちだが対角線で左右を合わせようとすると捻じれるので難しい。
対角ではなく半身で考える方が修正しやすい。

コンディションのチェックは毎日朝や練習前に同じことをやり、その動きを見て今日やることを決める。
例えばスピード練習は筋肉が良い状態でやらないと意味がない。
そのためにアップで深く沈んだところからのジャンプ、立ち幅跳び、立ち三段跳び、立ち五段跳びなどを数本やってみる。
余計なストレッチングをする必要もないし、毎日やることでその日の調子がわかる。
それでその日の練習を決めるということが大事。
動きの悪い日はスピード練習はやらない。
アップでも目的をもってやることが必要。
できるだけ無駄な時間は省いていかなければいけない。

量の問題ではとにかくたくさん走らせるということをやらせてしまいがちだが、集中させることに重点をおくと質の高いパフォーマンスができるのではないか。
選手のレベルに応じてやることが個別性。
もっと楽しく、ある時には集中といった練習をした方がいいのでは。
なぜ疲れるまでやるのか、高いパフォーマンスが維持できていない状態で走って何になるのか。
大事なことはほぼ同じパフォーマンスが維持できるところまで、そこから落ちたらパフォーマンスは落ちているので止めるという考え方をしてもいいのでは。
一般の人にも当てはまることだが無理して頑張って何の得があるかを考えてみることも必要なのではないか。
指導する側がそういった物の考え方ができるようになることも必要。

・トレーニングの原理原則

レーニングの原理は、からだに起こる現象の事を指し、トレーニングの原則は効果を出すうえで守るべき行動規則のことを指す。
レーニングプログラムは基本である7つの原則を全て理解して含まないといけない。
何かのトレーニングをする時にはトレーニング条件をきちんと設定しないといけない。
レーニングをしても成果が見られないものの多くはトレーニング条件がきちんと設定されていない。
パーソナルトレーニングでは頻度が週に1回、月に2回、月に1回と言ったケースが多いがそれでは成果は見られないのでトレーニング条件を満たすために相手に家などでどういったことをやるのかをきちんと説明し、実施してもらうことも必要。
レーニング指導者は5W1Hの原則やルーの三原則なども理解しておかなければならない。

レーニング原則は世間でどう言われているかは関係なく、自分にとってどういう原則が必要かを考えて組み込んでいく。

全面性の原則は基本的には身体能力の全てをバランスよく鍛えるということ。
体の筋肉のことだけを考えるのはトレーニングの原則の話にはならない。
体力という面で考えると行動体力という身体面、防衛体力という身体機能的なものも含まれている。
そういったこともひっくるめて考えると栄養面、精神面も全面性に含まれてくる。

意識性の原則とは目的がわかっているということが意識できているということになる。

漸進性の原則は少しずつ、徐々に上げていく。
ただし段階的にではなくアップ・ダウンさせながらやらないとオーバーワークになってしまう。

・もっとシンプルに考える

巷で見られるエクササイズには難しい動きが多い。
なぜそんな難しいことをやるのか、そんな動きが何の役に立つのかということに早く気づくことが必要。
バッティングならバットが速く振れることが前提にあるべきなのに体幹の難しい動きを入れることでスイングスピードが遅くなってしまっていてはパフォーマンスは悪くなってしまっている。
どんどん変なエクササイズが増えてきている。
もっとオーソドックスで効果の出るような方法を考えてみる。

巷にあるエクササイズの多くは目的とやっていることが合っていないものが多い。
そういったものを見た時にこれは何をさせたいのか、どこがおかしいのかを見ることで勉強になるし、どのようなことに使えるかなどを考えることの勉強にもなる。

・跳躍

助走スピードは跳躍に大きく関わってくる。
体ががっちりし過ぎると重くて跳べない。跳躍は体は軽い方がいい。
種目に適した体を作ることを考える。
下に叩きつけるだけでは飛べない。
後方へ押さないと前には行けない。
踏切板に合わせる練習なのか跳躍の練習なのか目的をはっきりする。
跳躍なら踏切板を意識する必要はない。
踏切は助走スピードを維持したまま走り抜けるイメージで。
相手に合った跳躍のリズムを見つけてあげることも重要。
跳躍力は跳躍の仕方。
跳躍というものを細かく分析してみる。
それを踏まえて相手のできていないことを分析し、それを伝え、相手が受け入れたら変われるが、自分の中で“これ”というものがあればアドバイスも受け入れにくいので変えるのは難しい。
まずは相手の頭の中を変えることからスタートした方がよいケースもある。

・身体操作

どのように手脚を動かすか、どうすると動かしやすいのかといったことを考えるのが身体操作。
巷で見かけるものは多くは柔軟性のことを言っているし、動きも早すぎる。
本来はスローでやるもの。
年配の方のように身体機能がレベルダウンしてきた方は幼稚園児の動きに戻ってみることも有効。

・専門的トレーニン

競技動作に似せた動きに負荷をかけることが専門的トレーニングではない。
競技パフォーマンスを高めることにおいてはトレーニングはメインにはならない。
基礎的体力の上に専門的体力があり、その上にパフォーマンスがある。
特殊、得意的なことをやる上で基礎的なベースは作っておかないといけない。
そして専門的な能力を高めておかないといけない。
それには段階がある。
中学、高校では体の育ち方やトレーニングの理解力という面から考えても早くから専門的なことを持ち出すのはどうなのか。
まずはベースを整えて大学から専門的にやっていってもいく、そしてプロに入ってからというように考えるのが普通の考え方ではないか。

・身体を緩めるテクニック

首の皮膚を軽く引っ張り脊柱の捻りを使って首、体幹を緩めるアプローチと肩を中間位に戻すアプローチを教わった。
脚のちょっとした位置の違いで首まできちんと緩む・緩まない、肩の位置のちょっとした違いで肩、腕だけでなく背中、腰の緩み具合に大きな差が出てくる。
やりながらそういった些細なことを気にしたりやり方を変えて相手の快の動きを引き出していくことが大切。
腸腰筋を緩める新たなアプローチ、緊張が強い、動きが硬い方へのサポートのなども教わったが大きな動きを求めて過ぎていたこと、もっと緊張のない快の動きの範囲を見極める目を養うことの必要性を強く感じた。

今年を振り返ってみても昨年よりうまくいったこと、できるようになったことが増えてきて成長したところも感じるが体を動かすこと、動きを教えることの難しさという課題も見つかった。
1年後にまた成長していられるよう来年も学びと実践を繰り返していきたいと思う。