岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

スクワットを100回、1000回やってもマラソンのための下半身強化にはならない

筋肉は使えば疲労します。 筋肉の疲労が限界を迎えると脚が動かなくなってしまいます。

ラソンは長い時間走り続けるスポーツなので一般的には筋肉の持久力を高めて長い時間動かしても疲れにくい筋肉を作るようなトレーニングが大切だと言われます。

よくあるトレーニングが自体重くらいの負荷で回数を多くするというものです。 教科書的には筋持久力を高めるためには軽い負荷で回数を多くすると書かれています。 走るための下半身強化のエクササイズとして代表的なものがスクワットですが、書かれているのはだいたい20回や30回×3セット、合計してもせいぜい100回程度です。 それくらいのスクワットはマラソンに必要な筋持久力としては全然足りません。

フルマラソンを完走するためには何歩かかるでしょうか? 100歩では全然足りません。 何千回、何万歩も必要です。 マラソンで最後まで脚を動かせる筋持久力を高めるなら何千回、何万回やらないといけません。

しかしいくらスクワットを何千回、何万回やったところでスクワットを同じ出力でやれるようになる回数が増えるだけでマラソンで最後まで脚が動かし続けられるようになることはありません。

ちょっと視点を変えてみればそんなきついことをしなくても最後まで脚を動かすことができます。 筋肉は使えば疲労するわけですから、一歩でも少なくすれば筋肉の疲労を抑えることができます。 ピッチ(脚の回転速度)は今のままでもストライドが今より1cm伸びるだけで歩数はかなり減らせます。 ランニングスピードはピッチ×ストライドですからストライドが伸びればランニングスピードも上がってタイムを短縮することができます。

そのために必要なトレーニングは筋トレではなく「走り方のトレーニング」です。 脚を一生懸命動かして走る走り方ではなく、重心移動や地面の反力を利用して体が自然に進んで行く、脚がついてくるスムーズな走り方に変えることです。 走り方の無駄がなくなるだけでランニングでのエネルギー効率も良くなり、走り続けられる距離も長くなるはずです。

また、ランニングのための下半身のトレーニングというのなら競技の特性というものを理解しておく必要があります。

走るというのは両足が地面から離れています。体も前に進む、重心移動が伴います。 ところがスクワットは足が着いた状態です(ランニング動作に似せて片脚スクワットをしたとしても同じことです)し、体はその場に止まったままです。

ランニングのためのトレーニングをするのであれば“弾み”を使ったトレーニングをする必要があります。 しかし、弾みを使ったトレーニングは負荷が高いため1度に何十回、何百回という数はこなせません。せいぜい5回程度です。 そうなると何十セット、何百セットとするような量を増やす必要があります。

そのように考えればわざわざ有効性の低い筋トレをするよりも走った方が走るための脚の筋肉作り、筋力作りには有効だと言えます。

筋トレ=ウエイトトレーニング、筋力アップということばかり考えてしまいがちですが、もっと大事なことは「何のために、どんな力を高めたいのか?」という基本的な目的を明確にもってやることです。