岡山・腰痛、ひざ痛改善パーソナルトレーナーのblog | パーソナルトレーナー 岡田 康志

腰痛、ひざ痛、身体の不調を根本から改善するためのトレーニングの考え方についてご紹介

腕を上げる時、途中が痛くて上げきってしまえば痛くない。原因は?改善するには?

今回は腕を上げる時、途中が痛くて上げきってしまえば痛くないという相談。
病院で診てもらったところ、骨には異常はないがインピンジメント症候群と言われたようでした。

インピンジメントは、肩の関節を動かす時に関節の上の方で骨と骨がぶつかったり、関節の中で筋肉が挟まったりすることで痛みが生じます。

身体の状態をチェックしてみると、
・胸を張り、背筋を伸ばそうという意識が強い
・肩を後ろに引いて肩甲骨を寄せすぎている
・首は前に傾き、頭が前に出ている
・腰が反っている
・腕が捻じれて曲がっている
・左右の肩、腰の高さが違う
・脚はO脚気
などの崩れが見られた。
肩だけでなく首の後ろの痛みや腰の痛み、膝の痛みなどもあるということだった。

肩の動きや筋肉の状態をチェックしてみると、
肩を後ろに引いて肩甲骨を寄せようという意識が強いせいで首や首筋、肩や背中が緊張し腰も反ってしまうために腰まで緊張してしまっていた。
肩甲骨周囲の筋肉の緊張が強いため腕を上げようとしても肩甲骨が動かず腕だけしか動かないので途中で引っかかる感じがしてそこで痛みが起きていた。

問題の原因は腕の上げ方にありますが、根本的には崩れた姿勢で腕を上げようとしたために腕と肩甲骨の連動した動きができず、インピンジメントが起きてしまったということでした。

問題を解決するには全身の筋肉をゆるめて姿勢の崩れを直すこと、肩甲骨と腕の連動した動きをもう一度インプットし直すことです。

まずは肩を本来の位置に戻すために肩の前・横・後ろの筋肉が均等にゆるいところで呼吸を行った。
首を傾けて首の緊張も一緒にゆるめるパターンも入れて行ったが腕や肩、首筋、胸、背中の緊張がゆるんだ。

次に肩甲骨を上下、左右、斜めに動かした。
動かすと筋肉のコリコリという感触が手に伝わってきたが、何度も繰り返し動かしていくと徐々にコリコリ感が消えて肩甲骨周囲の筋肉の緊張がゆるんだ。
痛みの出る斜めの動きは肘を畳んで脇の開閉を小さな範囲から行い、肘を曲げた状態で腕を上げ下げする動きに変えていった。
ここでも筋肉のコリコリという感触が伝わってきたが、肩鎖関節の辺りからはゴリゴリという感触も伝わってきた。
筋肉のコリコリ感や関節のゴリゴリ感が消えると徐々に可動域が広がるといった感じで徐々に引っかかり感や痛みも軽減していった。

腕や肩甲骨周囲の緊張がゆるむと体幹の捻じれや歪み、傾きも直って首を動かした時の痛みや腰のつっぱり感も軽減したようだった。

下半身は足首・膝・股関節の連動した動きを取り戻すことをやった。
まずは各関節の周囲の筋肉の緊張をゆるめ、次に足首→膝→股関節の順に曲げる動きを繰り返してスムーズに曲げられるようにし、次に脚を伸ばす動きをスムーズにできるようになるまで繰り返した。
動きが修正できるとO脚も改善されイスでのしゃがむ・立ち上がる動きで股関節が引っかかる感じや膝の痛みも改善され、歩く動作もスムーズになった。

その後は定期的に崩れを修正し、腕や脚の動かし方の修正を行った。
痛みがひどくなることはなく、痛みも来る度に軽減し、現在はほとんど肩の痛みを気にすることなく腕を上げられるようになった。

腕は日頃よく使う部位ですし、利き手とそうでない方で使い過ぎ、使わな過ぎによって左右がアンバランスになりがち。
動かし方の問題も痛みに繋がるので気をつけないといけない。
それが肩だけでなく首や背中、腰、脚と全体に波及するのでいつも弾力のある柔らかい筋肉の状態にしておくことがとても大切です。